水妖日にご用心～薬師寺涼子の怪奇事件簿 ～ 田中芳樹著 祥伝社ノン・ノベル 2007年

　南アジア某国の王子様が来日した。ハンサムでスポーツマン、資産はじつに三兆ドル！　日本中の女性が大騒ぎする中、マンガしか読まない外務大臣の頼みで、巨大テーマパークの貸し切り権を王子に譲った薬師寺涼子警視。そこで惨劇は起こった。
　人気キャラクター半魚姫に扮した美女に王子様が襲われたのだ。テロリストの動機は王位を巡る暗闘か、膨大な地下資源にからむ争いか、それとも復讐か？
　雷鳴とどろき、豪雨が東京を水没させる中、警視庁の破壊美神・涼子が忠臣・泉田準一郎を従えて暗殺者を追う！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（裏表紙の紹介文より）

　前半の舞台は「ザナドゥ・ランド」、これが東京ディズニーランドがモデルであることは読めば誰でも判ることでして。確か『蒼竜伝』でも田中さん、ディズニーには一言いってましたよね。私もディズニーアニメには含む所はあるのですが（『人魚姫』をハッピーエンドにするのはどうかと思う）、ディズニーランドについてはもう割り切って楽しみます。あそこに行くと、そんなに好きではない筈なのに、「ミッキー！」って手を振ってる自分がいるんだよなぁ、つくづく不思議。…とか言いながら、もう十年以上行ってないなぁ。
　半魚姫サリーこと伝説のワニの化物・ゴユダは結局退治されないままで、これはまた今後も出てくるのかしら。そうなるとこれはまた珍しいんですが。
　この本は2007年の出版で、田中さん、今の時勢はどう思ってるんだろう。