読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

霧の訪問者~薬師寺涼子の怪奇事件簿 田中芳樹著 講談社ノベルス  2006年

 ドラよけお涼シリーズ、5作目…でいいのかな; 
 
 警視庁刑事部参事官付警部補・泉田準一郎は、上司・薬師寺涼子警視に軽井沢に連れて来られた。アメリカの美人富豪マイラ・ロートリッジのパーティにお供しろ、とのこと。貴重な自由時間を謳歌しようと散歩に出た泉田は、車にはねられ、そのままホテルに拉致されてしまう。犯人はアーテミシア・ロートリッジ、かの大富豪の娘。美少女メイド・マリアンヌの助けを借りて部屋を逃げ出した泉田は、そのまま涼子と合流、パーティにも参加することに。ところがその席でアーテミシアは焼身自殺を遂げ、ホテルも焼失してしまう。翌日涼子の別荘は襲撃を受け、返り討ちにはしたものの、涼子は復讐を決意。官僚から天下りして今は老人介護産業で暴利を貪っている葛西圭吾にマイラが匿われていると聞いて、葛西の家へ乗り込む。果たして、葛西の家から助けを呼ぶ悲鳴が。涼子と泉田は通訳の女性を救い、葛西からマイラの居場所を聞き出して、そちらに向かう。そこにはマイラ・ロートリッジとモッシャー博士、そしてアーテミシアの死体があった。
 狂信的キリスト教原理主義者カルト信者、マッドサイエンティスト、東西ヤクザに女装集団、ドラよけお涼が入り交じり、大騒動が広がって行く。…

 私このシリーズ、ちゃんとあいだ抜けずに読めてるのかな。リュシエンヌとマリアンヌのメイドさん二人は覚えてるんだけど、ジャッキー若林がちょっとあやふや。…覚えがあるようなないような…。
 キリスト教へのケチの付け方とか、さすが田中さん(笑)。アメリカが実がカルト集団の成れの果て、ってのは佐藤賢一さんも言ってましたね。この二人、言ってることに何か共通するものがあるなぁ。歴史をやると自然にそう言う見方になるのかしら。『ナルニア国物語』が強くキリスト教の影響を受けてる、ってのは私もあちこちでよく聞くんですが、今いちぴんと来ないんですよね~。イエス・キリストをライオンなんて獣に例えて本当にいいのかしら、とか思ってしまう。今回、マイラは涼子の体を欲しがる訳ですが、それは黄色人種でも構わなかったんですね~。
 気軽に読めるのは相変わらず、すらすら読めて楽しかったです。…でも他の作品も書いて欲しいんですが;