読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マギ The labyrinth of magic MAGI 1~9巻 大高忍著 少年サンデーコミックス

 友人まいさんに、「面白いから読んで!」と貸しつけられました(笑)。まいさん、いつもありがとう♪

 主人公は謎の少年アラジン。自分のことを昔「地下の頑丈な部屋にいた」と語り、精霊ウーゴの宿る笛「ジンの金属器」を持つ。
 少年アリババはアラジンと知り合い、各所に何時の間にやら現れる謎の遺跡群「迷宮(ダンジョン)」を一緒に攻略しようと持ちかける。迷宮攻略者として手に入るのは、金銀財宝と数々の魔法道具、「ジンの金属器」つまり「王としての器」。アラジンの目的はウーゴの仲間「ジンの金属器」を集めること。
 アラジンの噂を聞き付けた領主ジャミルは、自らもアラジンの力を借りて迷宮を攻略しようと、奴隷ゴルタスとモルジアナを従えアリババ達の後を追う。ジャミルの妨害にあいながらも、アリババは「迷宮」を攻略。自らの武器に精霊「アモン」を宿し、アラジン、モルジアナと共に迷宮を出る。しかし、抜け出た先で、アリババはアラジンとはぐれてしまった。
 アラジンは東方の草原地帯で目を覚まし、そこで暮らす騎馬民族黄牙の人々に救われる。黄牙一族はさらに東方の巨大国家・煌帝国から傘下に入るよう強要されていた。煌帝国側も穏健派と強硬派に別れて派閥を争っており、巻き添えを喰らって黄牙族の長老が殺される。穏健派の皇女・練白瑛に協力して、アラジンは強硬派の逆賊を蹴散らし、白瑛のジン・パイモンと会う。パイモンはアラジンを「マギ」と呼び、迷宮の出現者で王の選定者であると告げる。
 東方から戻って来たアラジンは、途中奴隷商人の砦でモルジアナと出会う。追剥に会って一文無しになったと言う青年シンドバッドと共に、アリババの故郷バルバッドへ。海洋国家バルバッドの経済は国王の悪政が祟って煌帝国の介入を受け、壊滅状態に陥っていた。貴族の邸宅を襲って貧しい民へ戦利品を配る義賊集団「霧の団」が頭角を現し、アリババはそのリーダーに納まっていた。
 元々「霧の団」の創設者カシムはアリババの幼なじみで、アリババはカシムに負い目があった。バルバッドを救いたいアリババとあくまで復讐に拘るカシムの間はやがてすれ違い、煌帝国や煌帝国につくもう一人の「マギ」、好戦的なジュダルの思惑も絡んで、決定的に決裂する。
 ジュダルとの戦いの中で、アラジンはウーゴを失う。代わりにその導きで「ソロモンの知恵」を手に入れる。
 カシムを、国民の暴動を鎮め、煌帝国の介入を最後の線で退けるアリババ。拙いながらもその手腕に、シンドバッドは感嘆し、自分の国南海の島国シンドリア王国にアリババを招待する。
 シンドリアで食客としてアラジンは魔法を、アリババは剣術を、モルジアナは武術を磨く。煌帝国からの留学生として白瑛の弟・白龍皇子と知り合う。そして、シンドバッドからアリババは、「迷宮攻略」の依頼を受ける。…


 何となく少年サンデーらしからぬ作風だなぁ、と思ったら少年ガンガンデビューだそうで。そうだわ、確かにガンガンっぽい。荒川弘さんも今サンデーで連載してますよね、少年ガンガンってサンデーと繋がり深かったっけ。
 面白かったです。話の展開が早い早い。最初の迷宮攻略が、一巻分しかかかってないんですもんね。
 うおっ、と思ったのはキャラクターの表情。狂気の宿った目とか虚ろな様子とか、卑屈さや荒み、人を見下した感じ、いわゆるマイナスの感情を浮かべた登場人物たちの描かれ方が半端ない。あそこまで描くのは気力も勇気もいると思うのは私だけかしら。貧しさに喘ぐ赤ん坊の口の中をベタで塗り潰したら、あんなにぽっかりと何もない、空虚な感じになるんだなぁ。勿論、プラスの描写もいいんですけどね、褒められ慣れてないモルジアナがどんな表情していいか分からない様子なんか、何とも言えす可愛い(笑)。
 迷宮(ダンジョン)とアラビアンナイトの世界って合いますよね。以前読んだ古川日出男著『アラビアの夜の種族』でも思ったのですが、何故迷宮が出来たのか、って理由に妙に納得がいきました。
 そうそう、『十二国記』も連想したなぁ。困難を乗り越えた先に「王を選定する」となると、どうしても麒麟が浮かんで来ますねぇ(苦笑;)。
 シンドリア王国編になって、登場人物が増えたのが少々不安です。…私、覚えてられるかなぁ; アリババもシンドバッドに倣ってこの先6つの迷宮を攻略するとしたら、随分長くなりそうですね。