紅玉いづき三作目。“人喰い物語”最終譚。
涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を――。
長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、一つの約束が交わされた。それはフェルビエ族の女族長と、『永遠生』を信仰する敵族ミルデ族長との政略結婚だった。
フェルビエ族の女族長であり女戦士アルテシアは、わずかな供の者を連れてミルデの集落に輿入れする。族長オウガはこの婚礼を受け入れるつもりはまるでない様子。先代の遺志を無にするオウガの行為に、理由を尋ねるアルテシア。オウガは流行り病で死んだ先代族長・ガルヤの遺体の首を、何者かが、おそらくフェルビエ族の者が持ち去ったからだと言う。『永遠生』を信仰するミルデにはこれ以上ない侮辱に、アルテシアはガルヤの首を探し出すことを約束する。盟約の魔女を訪ねる旅に出るアルテシア。幼い頃からアルテシアの影武者として常に傍にいてくれるかけがえのない少女・ルイを、身代わりにオウガの傍に置いて。
魔女の元で聞いた先代族長達の戦いの記憶は、アルテシアに流れ込む。フェルビエ族先代族長アテージオの和平への願い、それを壊したアテージオの妹・ロージアの想い。
想い人を喰らう“雪蟷螂”とも称されるフェルビエ族の女たち、その血はアルテシアにもルイにも、先代族長アテージオの妹でアルテシアの叔母にあたるロージアにも、脈々と流れていた。…
(あらすじ前半部分、表紙見返しの紹介文を使用しました)
長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、一つの約束が交わされた。それはフェルビエ族の女族長と、『永遠生』を信仰する敵族ミルデ族長との政略結婚だった。
フェルビエ族の女族長であり女戦士アルテシアは、わずかな供の者を連れてミルデの集落に輿入れする。族長オウガはこの婚礼を受け入れるつもりはまるでない様子。先代の遺志を無にするオウガの行為に、理由を尋ねるアルテシア。オウガは流行り病で死んだ先代族長・ガルヤの遺体の首を、何者かが、おそらくフェルビエ族の者が持ち去ったからだと言う。『永遠生』を信仰するミルデにはこれ以上ない侮辱に、アルテシアはガルヤの首を探し出すことを約束する。盟約の魔女を訪ねる旅に出るアルテシア。幼い頃からアルテシアの影武者として常に傍にいてくれるかけがえのない少女・ルイを、身代わりにオウガの傍に置いて。
魔女の元で聞いた先代族長達の戦いの記憶は、アルテシアに流れ込む。フェルビエ族先代族長アテージオの和平への願い、それを壊したアテージオの妹・ロージアの想い。
想い人を喰らう“雪蟷螂”とも称されるフェルビエ族の女たち、その血はアルテシアにもルイにも、先代族長アテージオの妹でアルテシアの叔母にあたるロージアにも、脈々と流れていた。…
(あらすじ前半部分、表紙見返しの紹介文を使用しました)
みんな自分の感情に素直だよねぇ。オウガの婚姻拒否理由、ロージアの意地、アルテミシアの想い。アルテミシアの近衛兵トーチカにしても、耐えてるようで耐えてない(笑)。ルイに対しては、あれでよかったのかなとか、族の皆を騙してることにならないかなとかちょっと思いましたけど。
激しい感情に突き動かされながら、それを通して、それでも不快にならないのがいい所かな、と。
激しい感情に突き動かされながら、それを通して、それでも不快にならないのがいい所かな、と。