読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ブラック・キャットⅢ キャスリング 前編・後編  新井素子著 集英社コバルト文庫 1994年

 『ブラック・キャット』シリーズ3作目。
 ネタばれあります、すみません;;

 怪盗団ブラック・キャットの今度の獲物は、アジアの小国・サティ王国ララベス王妃所有のブルーダイヤのネックレス。ところが三人はまだ何の行動も起こしていないのに、ララベス王妃の元にブラック・キャットの名を騙る予告状が届いた。これを挑戦状と受け取ったキャットは、ララベス王妃の来日に合わせてネックレス剥奪計画を立てる。キャットの拘りに疑問を感じる千秋。明拓は千秋に、ララベス王妃とキャットとの因縁を語る。
 サティ王国の実質乗っ取りを企んだある組織は、王位決定権を持つことになってしまった少女・ララベスを、留学中に別人と入れ替える計画を立てる。白羽の矢が立ったのがキャット。結局その計画は失敗したが、そのためにキャットは「自分」を失い、追われる身となった。
 一方ララベスも、自分とそっくりな女を目にして以来、心休まる時はなかった。ブルーダイヤを餌にキャットを誘き出し、「組織」にキャットの存在を認識させようと計る。
 本物は警察庁に預け、レプリカを胸にチャリティコンサートに出席するララベス。いつまでも隠れている訳には行かない、と受けて立つキャット。似ている容姿を利用して警備を混乱させ、王妃の思惑に乗ってネックレスを盗む。だが最後に一矢報いてみせる。
 そして、「組織」が動き出す。ブラック・キャットを追うのは新村潤一郎、キャットのかつての恋人だった。…

 もう一篇、『星へ行く船』番外編
 辺境の惑星αにて、山崎太一郎との結婚式を明日に控えた森村あゆみの独り言『αだより』収録。


 9年ぶりのシリーズ再開だそうで。いや、そりゃコバルトの読者層替わってるわ(笑)。
 Ⅰ、Ⅱで含みを持たせて書かれていたキャットの過去が明らかになりました。うん、面白くなってきた(笑)。
 ダイヤが割れた、割れたと騒ぐ場面があるんですが、それ偽物の根拠になるかなぁ。結晶だもの、ダイヤ割れるって。『トリビアの泉』でもやってたやん(笑)。
 何かあゆみちゃんのシリーズ番外編が載ってたのが妙に嬉しかったです。いや、色々細かく忘れてて、「…この人、誰?」「何だったっけ?」ってのもあったんですけどね(苦笑;)。手紙を木箱に入れたシーンは妙にじーんと来てしまった。
 さて、次は最終話です。