読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ブラック・キャットⅠ 新井素子著 集英社コバルト文庫 1984年

 喧嘩っ早くて運動神経がよくて、そのくせ天才的に不器用な広瀬千秋・19歳。いくつものバイトをクビになって生活に困り、拾ったお金をねこばばしようとしたが失敗した。追われる千秋を救ってくれたのはキャットと名乗る美女。窮地を救った見返りにと、千秋に仕事の依頼をしてくる。キャットの仕事――泥棒。岡沢デパートで開かれる斉藤コレクション展の中からサファイアを盗み出す際、キャットとそっくりの体型と逃げ足を利用して、逃亡の撹乱をお願いしたいという。盗みの目的は売名行為。反感を持ちながらもすったもんだの挙げ句、結局千秋は予想以上の活躍でキャットを助けてしまう。かくして、天才的に不器用なスリ・広瀬千秋と、無視も殺せない殺し屋・黒木明拓、心臓が悪くて走れない泥棒・キャットが組んだ「怪盗BLACK CAT」は誕生した。…

 他にショートショート『お月さま』『影ぼうし』『ちゅうりっぷ』
 いじめられっ子の車両・山手線のあいちゃんが乗客の小さな女の子を庇って暴走する『山手線のあいちゃん』
 夕暮れ・七つの情景として
妹を連れて出かけた縁日での悟の恐怖を描いた『金魚のいる情景』
公園で遊ぶ子供たちを見て、高校生の亜樹は自分がもうこどもではないことを思い知る『子供のいる情景』
悟が脳卒中で死んだ父親を思う『青い猫のいる情景』
三ヶ月後結婚する亜樹。男友達とドライブに出かける『砂の舞う情景』
酒を飲みながら孤独に体を燃やす金色の魚の話をする悟『金色の魚のいる情景』
妊娠した亜樹。高校の同窓会に向かいながら咲き乱れる紫陽花を見る『画家のいる情景』
幸福と不幸を代わる代わる思い出す悟と亜樹『夜汽車のある情景』
収録。

 新井素子さんの『BLACK CAT』シリーズが終わった、と聞いてから随分経ちます。それじゃいつか読まなきゃな、と思いつつ、内容すっかり忘れてるので最初から読み返すのが面倒だな、と言うのもあって今まで放ってました。
 読み始めて思ったこと。内容案外覚えてたのが意外でした、一緒に載ってる短編はごっそり忘れてたけど(笑)。そして思い出したことも。…私、このお話好きじゃなかったんだわ(爆!)。
 登場人物謎だらけで思わせぶりで、「一話完結」と言いながらものすごい不完全燃焼。私は漫画でも、読み切りと言いながら明らかに続きのあること前提に描かれた話、って苦手なんですよ; 作者が当時、一生懸命仕入れたんだろうな、と思われる知識をこれ見よがしに披露する文章や会話。リアルタイムで読んでいた当時、どうも気恥ずかしくて居心地が悪くて、でどうにも気に入らなかった(笑)。今回読み返しても「…ああ、若い」「ああ、青い」って思っちゃったもんなぁ(苦笑;)。
 で、もう一つ嫌なことも思い出した。この次の話が、本当に気に入らなかったんだよなぁ(爆!)。…読めるのか、私!?
 …う~ん、新井さんの文章読むとどうも影響されるなぁ(笑)。