読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

宝石商リチャード氏の謎鑑定[2] エメラルドは踊る 辻村七子著 集英社オレンジ文庫 2016年

シリーズ2冊目。

 case.1 キャッツアイの慧眼
 『ジュエリー・エトランジュ』今日のお客様は、小生意気な小学生の男の子。お母さんは赤ちゃんを産むために入院中、飼い猫のミルクはお父さんが連れて行ってしまって行方不明という心細い状況。家族の厄除け、守り神として働いてくれていたミルクの代わりに、男の子はキャッツアイが欲しいという。

 case.2 戦うガーネット
 ガーネットが欲しい、と店を訪れた女性 山本美人は、美しい店主に妙にケンカ腰。どうやら長年つきあっていた男に振られたばかりらしい。自分の容貌にコンプレックスを持ち、貶めたような発言をしながらも、自分の誕生石の購入を検討する彼女を、リチャードは「戦士」だと形容する。

 case.3 エメラルドは踊る
 谷本さんを通じて知り合った女性 新海亜貴は、片浦バレエ団のバレリーナ。次の公演『ジュエルズ』でエメラルド役に抜擢された彼女は、衣装のネックレスに不穏な流言が立って困っている、と相談してきた。3度の紛失、発見を繰り返すエメラルドのネックレス。資産的価値が高いものではない。若くして亡くなった前プリマの呪い、という噂を、亜貴はきっぱり否定する。エメラルドのネックレスは何故紛失未遂を繰り返すのか。

 case.4 巡りあうオパール
 中学以降、久しぶりに出会った空手道場の先輩 羽瀬は、相変わらずかっこよかった。焼き肉を奢ってもらいながらした近況報告は、数日後、そっくりそのまま羽瀬の近況として『ジュエリー・エトランジュ』で繰り返された。羽瀬の持ってきたファイアオパールを盗品だと告発する女性も現れ 混乱する現場で、羽瀬はその石を、介護している老女から貰ったものだという。彼女は「かいのし」と呼んでいた、と。

 extra case ユークレースの奇縁
 先輩とのいざこざの折、寄り添ってくれた礼として、正義はリチャードに手作りのプリンを振る舞う。リチャードがユークレースを見せてくれたのは、そのお礼なのだろうか。…

 私も1月生まれなので、誕生石はガーネット。とりあえず持っときたいよね、ってんでペンダントを一つ持ってます。でもガーネットという石があまりいい石、というか貴重な石ではないのはやっぱりちょっとコンプレックスなんですよね~(アルセーヌ・ルパンの作中で、道しるべとしてバラまかれてたのはショックだったなぁ)、ですから山本さんの気持ちは、容姿云々も含めて、少々身につまされました。あんな相手でも仕方ない、と自分を納得させていた、ってくだりも はっとさせられましたし。それでもやっぱり、美人は得だと思うぞ、うん。
 そうそう、元カレが若い女の子に「女の子を『おまえ』って呼ぶの、おじさんっぽい」って言われる箇所を読んで、二十年前くらいかな、ヒットソングの歌詞が軒並み二人称「あなた」になった時期があったよな、と思い出しました。大切にされてる感じがしていいなぁ、と思ったっけ。
 リチャードの可愛らしさがますます魅力的になってきましたね、でもあれでどうして太らないんだよ、『DEATH NOTE』のLみたいなもんか、頭使ってたら糖分消費する、ってヤツか??
  次巻に続きます。