読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

似非エルサレム記 浅暮三文著 集英社 2003年

 ネタばれ、になるのかな、多分なるな、あります。
ある日、聖地・エルサレムは目を醒ます。自分の荒れように驚いた聖地は、内なる声に導かれ、ゆっくりと南南西へ動き出す。無人の市街地と黒いテリア犬のブラッキーを乗せたまま。…
 …何しろ変わった話でした。だって土地が意識を持って動き出すんだもの。さすが新潮ファンタジーノベル出身者だわ; 私が聖書のエルサレム記を知ってればもっと楽しかったんだろうなぁ。多分パロディになってるんだと思うんだけど、元ネタ分からない状態なので。
 エルサレム聖墳墓教会を、世界中のキリスト教宗派が争ってるなんて知りませんでした。ランタンや燭台の数だの、お掃除の場所や順番だの。無精な私からすると、進んでお掃除してくれるなんてラッキー、てなもんだけど(笑)。動き出した聖地をめぐって国連は勿論、アメリカもアラブ諸国も、ヨーロッパもロシアも、イスラエルに駆け引きを持ちかける。エルサレムを引き留めようと涙ぐましい努力をするんですが、「エルサレムの跡地(大きなクレーターができている)ではだめなのかしら」って無責任に考えてたら、それが大落ちだったのね; あ、いや、ゴルゴダの丘とか、大切なのは分かってます;
とりあえず、ブラッキー可愛かった♪