読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

玉磨き 三崎亜記著 幻冬舎 2013年

 たとえ意味がなくても、やり続けなければならないことがある。
 「わたし」は、そんな現場を訪ね歩いてきた――。

 集落に伝わる伝統産業「玉磨き」の唯一の担い手である高橋家。
 通勤用観覧車の企画設計から設置運行までを請け負う只見通観株式会社。
 「古川姓」の人間の優秀さに牽引されているとされた、古川世代ブーム。
 不安や不調を呼び起こす「ガミ」を捕える「ガミ追い」の現場。
 ひたすら一人で部品だけを作り続け、完成形を見ることのない分業体制。
 水底に沈んだ町で、たった一人、商店街組合を守り続ける男。

 いつか失われ、忘れられる存在の「わたし」たち。
 それでも、それぞれの、ささやかな人生の日々は続く。
                                  (帯文より)

 何とも不思議な話。
 時折現実の何かと重ねて読んでしまうのは私の考え過ぎなのか、作者も意図してのことなのか。
 架空の人物への謝辞、参考文献の列挙など、作り込みは流石です。でも連想したのはごめんなさい、『魁! 男塾』でしたけど(苦笑;)。
 歩行技師等、他の作品へのリンクもやっぱり嬉しかったです。