読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

彼女が死んだ夜 西澤保彦著 角川文庫 2000年

 タックシリーズ2作目。
 ノベルズ版は1986年出版。

 厳格な家庭に育った箱入り娘のハコちゃんこと浜口美緒。今夜は両親が法事で留守、翌日からはアメリカ留学ということでテンションは上がりっぱなし。だが、タックたち大学の同級生と酒盛をして帰宅すると、そこには見知らぬ女の死体が転がっていた。女は髪を切られており、その髪はストッキングに入れられて傍らに。
 ようやく両親から許しをもぎ取ったアメリカ留学が駄目になってしまう。美緒は自分に好意を抱いているガンタを呼び出し、死体の始末を依頼する。ガンタはタックやボアン先輩と相談して、近くの公園に死体を捨てた上で警察に匿名で通報する、と言う手段を取る。
 女の身元はなかなか判明しない。美緒からの連絡は途絶えたまま、その上宴会に参加したメンバーの一人・宮下も行方をくらませている。下宿先も誰にも言わず引っ越した様子、訪ねたタックとボアン先輩はそこにいたチンピラに宮下と間違われて、殴る蹴るの暴行を受ける始末。どうやら宮下は水商売の女に手を出し、その情夫と揉めていたらしい。宮下の郷里の母親が事故に遭って危篤、と言う状態になっているのに連絡も取れない。
 そのうち、もう一体男の死体が発見される。その男の傍にも、髪の束が入ったストッキングが転がっていた。
 女と男の死体には関連があるのか、そもそも一体誰なのか。美緒の両親に浜口家に招待された男の財布がなくなった事件、宮下の行方、美緒の思惑。タックたち4人がああだこうだと推理を繰り広げる。…

 推理小説としては面白かった、面白かったんですが。
 …う~ん、後味が悪い。好感の持てる人が出てこない; 浜口家の両親の秘密とか要るだろか。美緒の我儘っぷりは何なんだ、宮下にしても他人の利用の仕方とか、すんげーむかつく。
 繰り返しますが、推理小説としては本当に面白かった。意外な結末、何度もあるどんでん返し。…でも読後感悪いなぁ;