読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料Ⅳ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2007年

 『狼と香辛料』シリーズ4作目。
 ネタばれと言うか、粗筋ばりばり書いてます、すみません;

 異教徒の町クメルスンからさらに北へ進むロレンスとホロ。ライ麦の豊作を理由に、エンベルグで積荷の小麦の売買を断られ、そのままテレオに向かう。テレオは教会もあるものの、基本的には土着の蛇神・トルエオを祀る田舎町。そこで異教の神々の逸話を集めているディーエンドラン修道院への道を尋ねるが、教会にいた少女エルサも村長も、そんな修道院は知らないと言う。修道院の場所を知っていると聞いてきたフランツ司祭もこの夏に死んだとか。教会の傘下に入ったエンベルグの町との確執の中、フランツ司祭が骨折って結んでくれたテレオにかなり有利な契約も、これを機会に破棄されようとしていた。
 今、エンベルグに弱味を見せる訳にはいかない。フランツ司祭が異教の神々の逸話を集め研究していたなどと知られたら、異端としてどれだけ付け込まれるか分からない。エルサも村長も口を塞ぐが、ホロは自らの正体を明かし記録の閲覧を求める。
 地下の資料室で大量の書物を漁る中、テレオの村の麦に毒麦が混ざっていたとエンベルグからの使いが来る。大量返品に対し、村人たちには全額の代価はもうない。毒麦を混ぜたのではないか、とロレンスとホロ、続いてエルサと粉挽きのエヴァンが疑われる。契約破棄のためのエンベルグ狂言だと分かっているが、ロレンスたちにはなす術がない。4人は教会の地下通路を通り、ホロの脚力を持って逃げ出して他の村の商会にかくまって貰おうと計画を立てる。
 夜っぴいて逃げ、朝を迎えた4人。だがエルサは村を見捨てられない、戻る、と言い出す。故郷を失ったホロにも思う所があり、協力を申し出る。豊穣神ホロの力を楯に、ロレンスは奇跡の力としてエンベルグの使者をやり込める方法を思い付く。…

 このシリーズの読み方のコツが掴めてきました。ロレンスとホロのいちゃいちゃ場面は読み飛ばす、これだわ!…って何だか醍醐味を自ら放棄しているような…(笑)。
 ホロの力に頼ることは前提なのね~、水戸黄門の印籠みたいなものでしょうか。多少卑怯な気もしないではないけれど、ロレンス商人ですものね、立ってる者は親でも使えと言いましょうか、とりあえずあるものは利用するのね。
 エルサの神の存在への疑問や納得の仕方は、成程なとすっきりしました。
 フランツ司祭の後ろ盾はこの先伏線になって来るんでしょうか、覚えておいた方がよさそうですね。ヨイツを滅ぼした「月を狩るクマ」は勿論。…蛇神トルエオは忘れていいよね??