読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

完全無欠の名探偵 西澤保彦著 講談社ノベルス 1995年

 ネタばれあります、すみません;

 高知の大学に行ったきり、就職までそちらで決めてしまった白鹿毛りん。何か高知で気になることがあるらしい。彼女を溺愛する祖父・白鹿毛源衛門は、孫娘を連れ戻そうと山崎みはるを送り込む。みはるは見た目は朴訥とした大男だが、会話相手に、自分でも忘れていたような些細な事柄を思い出させ、何故その物事が気に掛かっていたのか解明させてしまうという特殊能力を持っていた。但し、本人にその自覚はない。
 高知に着いたみはるは、果たして、次々と話相手に過去の出来事を思い起こさせる。
 行きがけの飛行機ではスチュワーデスに自分の母親の死の真相を、隣席に座った赤練亘には30年前の母親殺しの真犯人を。
 安芸女学院短大の学生・水縹季里子は恋人裏葉ヨシキを友人・牡丹増子に獲られたと思っていたが、実は増子に助けられたのだと悟り、増子は高校時代の文化祭準備で紫苑瑞枝と残っていた時に起きた出来事の真実に思い当たる。
 朱華房子は高校二年の時、自分の飛び降りを止めてくれた龍胆隆義の本当の目的が判り、龍胆が紫苑瑞枝に好意を抱いていた事実を青磁に聞かされる。また、安芸女学院短大の事務員・洗柿は7~8年前、酔っ払って布団を取り込みながら母親を突き落としてしまったと思っていたのが誤解だったと気付く。同じく、事務員の木賊は娘が高校時代に起こした飲酒騒ぎが、自分を救うための行動だったと知る。タクシー運転手の瓶覗良介は、一昨年高校生だった娘が不良グループに目を付けられ、お金をたかられて浅鈍慶太に助けて貰った事件を、娘の狂言だったと確信する。
 青磁は幼馴染み・朱鷺晃至の血の繋がらない妹・弥生にほのかに想いを寄せていた。その妹にストーカー行為を働いていた赤練誠一の自殺の真相に気付く。
 女性に睡眠薬を飲ませて強姦や泥棒を働いていた男・浅鈍慶太と裏葉ヨシキが殺された。みはると共に全てを見ていたりんは、朱鷺のマンションに駆けつける。龍胆が朱鷺を殺そうとしている、と断言して。…

 うわー、これも全部繋がった…!
 『解体諸因』と同じ作りだったんですね~、やっぱり登場人物全て覚えてなくて、前のページをめくりめくり読みました。うう、同じ年頃の女の子ばかり出て来て解り辛い、記憶力の衰えが憎い; …しかし、不倫だの何だの多い話だったなぁ。
 りんの小さい頃、鳩の死体がケーキ箱に入ってた話だのパラレルワールドがどうのだの、ってエピソードは余分だった気もしないではない。でも面白かったです。…すごいなぁ。