読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書会 山田正紀&恩田陸 徳間書店 2007年

 山田正紀恩田陸の二人が、古今東西の名作エンターテインメントの中から選んだ作品について、ああだこうだと語り合う対談集。
 
 ラインナップは
  半村良 『石の血脈』『岬一郎の抵抗』
  I・アシモフ 『鋼鉄都市』『はだかの太陽』
  時間を越える小説を求めて
  U・K・ル=グィン 『ゲド戦記
  沼正三 『家畜人ヤプー
  小松左京 『果てしなき流れの果てに』
  山田正紀 『神狩り』   ゲスト:笠井潔
  S・キング 『呪われた町』『ファイアスターター
  萩尾望都 『バルバラ異界
  『原点』との邂逅  特別対談:萩尾望都恩田陸
  恩田陸 《常野物語》  ゲスト:笠井潔
 
 …読んだことないのばっかり(笑)。読んだことがある作品も、ほとんど内容忘れてたり(←こらこら。…って実は恩田さんも同じようなこと仰ってて、ちょっと安心。…いや、するなよ、私・笑)。
 山田さん・恩田さんが「そう言えばあんな本もあったね」「こんな本もあったね」と繰り出す作品も山のよう。それに対して司会の方々(牧眞司三村美衣日下三蔵)や編集者さんが、ちゃんと細かいデータを提示する。すごいなぁ、この知識量。
 読書会では、「そうだよね、同感同感」と思う所が多々ありました。
 恩田さんが《ハリー・ポッター》シリーズを、「あれは少年ジャンプです」「友情、才能、勝利」と言い切ってて、これは大きく頷いてしまいました。
 「開いた最初のページに地図がある本は好きでしたね」「で、次に系図がくる」「それで、巻末に年表があるとなお楽しい」。そうそう、楽しかった~♪
 「このごろの日本の恋愛小説は、死ぬのは常に女性のほう」「あれが恋愛なのかなぁ。むしろ喪失感を楽しむというか、自分を哀れむというか」。…そうか、それで私は恋愛小説苦手なのかな。
 萩尾さんと恩田さんの対談で、何故か『ガラスの仮面』最終話の予想になり(笑)、「みな思ったような演技ができないので、ついに月影先生が業を煮やして「『紅天女』は私が演ります」と宣言する」「それで、幕とともに大往生」。…笑ってしまいました(笑)。
 結構知らない事ばっかりだったなぁ。お題本を読んでないんだから当たり前っちゃ当たり前なんですが、「いきなり話をはじめるとか、いちばんいいところで終わって、つぎの行からは別な場面ではじめるとか」って言うテクニックはS・キングが始めた、ってのも初めて知りました。佐藤賢一さんがこの手法よく使うんですよね~。
 『家畜人ヤプー』があんな話とは知らなかったし、『はだかの太陽』ってそんなにバカミスだったっけ?と思ったり(笑)。『はだかの太陽』は持ってるんだから読み返しゃいいんだけど(笑)。
 …何かでも、読んでない本ばっかりなので、どれから手を出したらいいのやら。返って読書欲が失せたような気がしないでもない(←こらこら・笑)。