読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

アリソン 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2002年

 「キノの旅時雨沢恵一の長編ファンタジー

 楕円形の巨大な大陸がたった一つある世界。丁度真ん中を二分する形で流れるルトニ河を挟んで、二つの国が千年以上戦争を続けている。お互いが、自分達こそヒトとしての先祖だと主張して。
 ヴィルはその東側の国ロクシェの学生、17歳。ある日、学生寮をアリソンが訪ねてくる。同じ孤児院で育ち、今は空軍に籍を置くアリソン。休暇を過ごそうと一緒に出かけた街外れで、嘘つきだと評判の老人に会う。老人は言う、「この戦争を終わらせる程の宝の在りかを知っている」。だが、二人の目の前で老人は拉致され、それを通報した二人は警官から命を狙われる。アリソンはヴィルを巻き込んで老人の救出に向かう。敵国スー・ベー・イルで出会う老婦人との交流、基地への潜入。やがて、二人は敵国の少尉の協力を得て、その宝を探し出す。…

 アリソンとヴィルの会話は、エルメスとキノの会話のよう。アリソンの方がもっと無謀で無茶をしますし、ヴィルは慎重で誠実ですが(←でもアリソンを止められない・笑)。
 伏線が最後に全て繋がるのが爽快。察しがついてしまうのもあるのですが、少尉がアリソンにプロポーズしてる間のヴィルの行動には騙されました。そうだわ、「キノの旅」でも読者を引っかける作品はありましたね。おかげで私、本当にキノの話なのか、「キノ」の名前が出てくるまで信用しなくなりました(笑)。
 あんなにスムーズに両国に雪解けが来るとは思えませんが、早く老婦人に服を届けられたらいいですね。