読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

彩雲国物語~はじまりの風は紅く~ 雪乃紗衣著/由羅カイリイラスト 角川ビーンズ文庫 2003年

 このシリーズはMっちゃんにお借りしました、Mっちゃん、どうもありがとう♪
 彩雲国は新しい国王に代替わりして早半年。八年にわたる内乱の末タナボタで王位についた若き新王は政治に全く興味を示さず、夜ごと寝所に男を連れ込む男色家。何とかやる気を出してもらうべく重臣達が考え出した妙案とは、彼に妃と言う名の教育係を与えることだった。白羽の矢が立ったのは紅秀麗・十六歳。家柄と教養だけは文句のつけようのない貧乏貴族の娘・秀麗は金五百両の報酬に釣られて、屋根の葺き替えと白いご飯を実現するため後宮へと入った。…
 成程、こりゃ面白いわ。
 こう言う『架空中国史』みたいなのは「後宮小説」(酒見賢一著)の存在ってやっぱり大きいのかな、と思いながら読んでたんですが、本当に「ファンタジー」だったんですね。
 多少内容盛り込みすぎて種明かし部分がもたつきますが、それ以外はテンポもいいし、読みやすい。ちょっと「あれ?」と思ったのは八年前の大飢饉を十六歳の秀麗があまりにもはっきりしっかり覚えていること。年齢的に無理がないかなぁ、どうだろう。お父さんがあんな仕事してるのに甲斐性が無さ過ぎるのも、読み終えてしまうと不自然な気がしないでもない。
 由羅カイリさんのイラストは今回初めてじっくり見たんですが、まあ線が綺麗。もっと濃いトーンやベタ使ってメリハリ付ければいいのに、何か綺麗すぎて溶け込んじゃってる感じがする、勿体ない。
 …しかし、「お兄ちゃん」に夢持ってる人多いなぁ;(苦笑)