読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

道具のブツリ 田中幸 結城千代子・文 大塚文香・絵 雷鳥社 2023年

理にかなったものは美しい
25個の生活道具とそこに隠されたブツリをひも解く、風変わりで、やさしい、物理学の入門書。

身の回りのものはすべて自然の原理や法則のもと成り立っています。
役に立たないと思われがちな中学・高校で習うブツリが、 実はさまざまな道具がもつ「用の美」の基礎になっているのです。
本書は、誰もが一度は使ったことのある生活道具を
「ながす道具」「さす道具」「きる道具」「たもつ道具」「はこぶ道具」の5つの章に分け、物理を専門とする教師ふたりが、ああでもない、こうでもないと呟きながら、 道具とブツリの面白い関係について語ります。
難しい公式や計算はいっさい出てきません。

点で突き刺すフォーク、慣性の法則で水を切るざる、無限の刃渡りをもつピザカッター、空中の支点でてこを動かすハサミ…etc.

紀元前に生まれたスプーンや車輪など、 今なお変わらない道具の形やしくみにもう一度目を向けることで、長い年月を経ても廃れない道具のデザインや機能が見えてくることでしょう。

開くと正方形になる縦長の判型、開きのよいコデックス装。
そして色やテクスチャを版画のように重ねた、 独特な風合いのある大塚文香さんの挿絵にもご注目!  (出版社紹介文より)

 書架で見かけて手に取った本。何しろ表紙が絵本のように可愛らしかった。
 物理は苦手です。小学校三年だったか四年だったか、理科の「てこと滑車」の章でつまづいて以来、苦手です。定滑車はともかく動滑車がややこしかったんだよなぁ、てこはてこで支点力点作用点が色々ズレるし。
 で、この本です。「易しく」と言いながら、それでも「え、どういうこと??」と読み返すこともしばしば。てこの項の二重組みのホッチキスは、やっぱり理解が追い付かず(うう;)、ファスナーも分からなかったなぁ。羽根のない扇風機の仕組みは、なるほど、と思いました。ヤモリやイカの吸盤の違いも。
 ブツリは小さく細かくなると化学と入り混じり、そうなるとかえって理解できるような。苦手意識もここまで刷り込まれると厄介です(苦笑;)。
 物理史(…と言う言葉があるのか??)の一面もあるような一冊でした。