読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

スローステップ 全4巻 あだち充著 小学館文庫

 麻丘高校ソフトボール部・中里美夏、さっぱりした気性の美少女エースで、お父さんはプロレスラー。
 そして美夏に恋する3人の男。
 クラスメートの秋葉習、高校ボクシング界の新星・門松直人、ソフト部監督の山桜監悟。
 男の意地とせつなさをのせて青空をさわやかな風が吹き抜ける、あだち充の青春コメディー!            
 直人の初恋相手・須藤麻里亜。メガネの彼女の正体は、実は美夏だった!!
 ひょんな事情でしてみた変装、だが誤解が誤解をよび、一人二役を演じるはめに。
 そんなある日、習と美夏、直人と麻里亜がデートのダブル・ブッキング!?
 美夏はなんとか切り抜けるが、気付かぬ男もニブイのか?
 さて、夏合宿、ヒロインとライバルたちが温泉宿に終結する。
 
 美夏と万能少女・沢村亜矢子の黄金バッテリーでソフトボール部は全国大会への切符を手に入れた。
 一方、山桜の姪・知香の一言から、ついにバレてしまった美夏=麻里亜。
 真実を知り、ライバル同士となった習と直人の、壮絶な争奪戦のゴングが鳴る。
 ボクシングの県大会決勝、二人は美夏をかけてリングへ上がるが、これが思わぬ展開に!

 いよいよ熱くなる美夏をめぐる争い。
 カリフォルニアからやってきた直人の妹・礼子は美夏の気っぷのよさに惚れ込み、知香はあの手この手で強力に山桜をサポートする。
 一方、山桜はプロボクサーへの夢をふたたび燃やし、トレーニングに打ち込む。
 美夏、習、直人、山桜……。それぞれの想いをのびやかに描く青春スケッチ。
                                    (裏表紙の紹介文より)

 これ、前半シチュエーションコメディだったんだなぁ。
 美夏が二人の男(三人?)を手玉に取っている、と思われても仕方がない展開(笑)。これを爽やかに描くんだよなぁ、あだち充は。で、直人には
 「それだけで嫌いになったら おれは麻里亜さんの外見にほれてたことになっちまうだろ」
とか言わせてしまう。ひょうひょうとした美夏だからあまり響いてないみたいだけど、これかなりずん、とくる台詞ですよ。
 運動神経抜群だし、料理もできるし性格も優しい、あだち充特有の欠点のないヒロイン。でもやっぱり、自分への欲があまりない。ラスト、これだけ何でもできるのに、実業団に入ってソフトボール続けるとかオリンピックを目指すとか、「自分のための目標」がない。でも後々の作品では出てくるのよね~。
 ヒロイン進化途中の作品ですね。