読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

せきれい荘のタマル 越谷オサム著 小学館 2011年

 静岡から東京の大学に進学した石黒寿史は、同郷の法村珠美への恋心から同じ映画研究会に入部する。しかし寿史は、やたら面倒見のいい同サークルの先輩・田丸大介につきまとわれ、有難迷惑もいい所。二日酔の早朝にマラソンに付き合わされそうになったり、分かりもしないパソコンをいじって余計にフリーズさせたり、読みたくもない暑苦しい漫画を貸しつけられたり。タマルの後輩だというだけでバイトの面接に落ちたのが極め付けかと思いきや、タマルは珠美に恋心を抱き、猛攻撃を始めた。
 珠美の前にタマルの標的になっていた映研の看板女優・北沙友里先輩によると、タマルは当時から色々いざこざを起こしていたらしい。ただ因縁があったのはタマルだけではなく、現部長の三輪と副部長の山縣果穂は現在眼も合わさない間柄だし、そこには監督志望の鈴木も加わっていたとか。
 映研の貴重な財産、プレミアもののカメラが盗まれ、果歩に怪しげなBBQ大会に誘われ、自分一人なら断るのにタマルの説得でなし崩しに参加させられることになったり。タマルのあまりにもおせっかいな行動・言動が、寿史の平穏な筈だった大学生活を狂わせて行く。…


 う~ん、やっぱりタマルは迷惑かもなぁ、人見知りでATフィールドのぶ厚い私はあんまりお近づきになりたくないような…(笑)。
 登場人物紹介も兼ねたようなエピソードを連ねて進んで行く内容に、「…これ、ちゃんと着地するのかな」と思ったら、ちゃんと繋がりましたね。でもやっぱり小粒かなぁ。お話の波というか振り幅が小さいような。いや、これと言ったテーマが絞られてないと言うか…。越谷さん、あまり登場人物増やさない方がいいと思うなぁ。
 いや、するすると読めたんですけどね。どうも私、越谷さんに対して期待値が上がっているのかもしれません。