読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

王様は島にひとり 池上永一著 ポプラ社 2010年

 池上永一、二冊目のエッセイ集。

 相変わらずやさぐれてるなぁ(笑)。
 沖縄を楽園のように見ている本土の人達への視線が冷たいこと! 故郷の暗部を毒と言うかユーモアと言うか、含む所をたっぷり持って書いてますね~。
 でもこれは池上さんだからこその技だな。何だかんだ言いながら、故郷への愛情が行間から滲み出てるもの。たまに真面目に(多分)書かれてる古都首里の様子、葬儀や墓参りというか先祖への挨拶の実態、本物のユタ(巫女)に対する敬意。
 だからだろうな~、本土の都市に対する感覚も独特で、京都を「水の香りを湛えている」と表現し、「徹底的に浄化してやろうと言う人の意思」を感じたり。確かに、あれほどの神社仏閣で、色々な物を封じようとして来た町なんだよなぁ。
 お稲荷様や抜弁天様への感じ方というか認識の仕方と言うか、お参り方法もこれは私は思いつかない。
 沖縄のゴーヤーは苦くない、と聞いたんですが本当はもっと苦いんですね~。私苦いもの苦手なんですよ、尚更食べられないわ;
 「何が起こっているのか理解できなかったアニメ映画『○ト○ン○ア』って一体何だろう??
 でも一番笑ったのは最後、エッセイ連載の最終回を迎えて池上さんが数々の考察を繰り出した後の一ページ。編集部からの(本書にまとめるため、予定通り連載を終了しました)の一文でした。電車の中で、ページめくって思わず吹き出しちゃったよ。
 私は暑い所が苦手なので沖縄に憧れませんけどね、ハブも怖いし。