読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

シンデレラ・ティース 坂木司著 光文社 2006年

 歯医者の苦手な19歳の女子大生「私」叶咲子が、歯科医院の受付のアルバイトで出会った出来事を描いた連作短編集。

 シンデレラ・ティース:
 小さい頃の経験から歯医者嫌いになってしまった咲子。母親の陰謀(?)で夏休みの間、叔父さんが勤めている歯科医院で受付のバイトをすることに。
 メンバーは叔父さんの叶唯史の他におじいちゃん先生の品川院長先生、口は軽いが腕は確かな成瀬先生、歯科衛生士のセクシー美女・三ノ輪歌子、色白で優しげな美人・中野京子、童顔でアニメ声の春日百合、窓口の事務を引き受けている葛西瑞枝、そして歯科技工士の四谷謙吾。
 今日のお客様はОLの女性。無事に済んだと思ったのに、後日彼氏と思われる男性が怒鳴り込んで来た。曰く、「時間がかかりすぎる」「薬が多すぎる」。まるで身に覚えはない言いがかりに、咲子をはじめスタッフは戸惑うばかり。その謎を解いたのは、普段無愛想な四谷だった。

 ファントムvs.ファントム:
 電話口で予約の受付をした患者さんの本庄さん。その時はとても感じがよかったのに、実際治療が始まると怒りっぽくて失礼なふるまいをする。でも咲子が風邪をひいたと分かるととても優しい。不自然な彼の態度の原因を、四谷が見抜く。

 オランダ人のお買い物:
 突然の夕立ちに、偶然一緒に雨宿りすることになった咲子と若い男。昭島と名乗る彼は後日、品川デンタルクリニックに患者として来院する。押しが強い昭島は咲子をお茶に誘い、咲子が断るといきなり不機嫌に。落ち込む咲子を慰めたのは四谷の言葉だった。
 同じ頃、入れ歯を作りにきた老人が、咲子を無視したり診察室に秘書を連れ込んだり大声で怒鳴ったり、かと思うと愛想よくふるまったり、不可解な行動をする。

 遊園地のお姫様:
 院長の孫娘・知花がやって来た。四谷に対するなれなれしい態度に、咲子も心中穏やかではない。だが咲子との約束より知花を優先する四谷には、それなりの理由があった。

 フレッチャーさんからの伝言:
 バイト期間もあと少し。しょっちゅう遅れて来ては「お詫び」と称して差し入れをする患者さんの真意を汲み取った咲子は、自分もクリニックにかかることを決意する。恋仲になった四谷が歯科技工の勉強のため、ドイツに留学することも知る。…

 坂木さんの作品を読むのは初めてです。何となく男の人だと思ってたんですが、…もしかして女の人??
 漫画『シュート!』の作者大島司さんと言い、「つかさ」と聞くと私の中では男性に変換されるようで;
 面白かったです。ほんわり暖か、日常の謎を解いて行く。何となく察しが付いてしまう真相もあったけど、美味しそうな物も出てくるし(←え、そこ?・笑)。四谷さんいいなぁ、いっぱい御馳走してくれるんだ(←え、そこ!?)。
 いや本当、手先の器用な人って憧れです。
 ただ、基本具合が悪くて来る人を、「患者さん」ではなく「お客様」と呼ぶのはどうだかなぁ、と思いつつ。「いらっしゃいませ」じゃなくて「こんにちは」でいいじゃん。…いや、これは作品の感想じゃありませんね(苦笑;)。でもこんな腕のいい歯科医さんなら通ってみたいなぁ。
 私が以前通っていた歯医者さんは、説明はしてくれたんですが、治療方針のいい点しか話してくれませんでした。リスクについては触れてくれなかったんですよね~。その前の歯医者さん(おじいちゃん先生で後を息子が継ぎました。…ちょっとどうかなぁ、と思うことがあって通院を止めてしまった)でその点を聞いていた私が、「以前こんなことを言われましたが」と言うと、「そういうこともあるかもしれませんね」。…いくら腕がよくても信用できねーよー!(泣;;)
 仕方なく治療が終わるまで通いましたけど;;  歯科衛生士さんが、皆さん丁寧で親切だったんですが、次々辞めて四人も担当代わったのも「…この歯医者さん大丈夫かなぁ?」と思った一つ。今は別の歯科医院に通ってます。…そろそろ行かなきゃいけないんだよなぁ、着色もしてきたし(ふぅ;)。
 …それにしても歯科衛生士さんって綺麗な人ばかりですよね、べるさん?(ふふ♪)。