読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

落語的ニッポンのすすめ 桂文珍著 新潮社 2007年

 桂文珍さんの本は、かなり前、関大の授業を語り下ろした本を読んだきりです。面白かった覚えがありました。
 今回のエッセイを読んで少し首を傾げたり。…あれ、なんだかもっちゃりしてるなぁ。
 勿論、面白い箇所は多々ありました。丹波篠山の田舎で、鶏の卵を家族に内緒で食べていたばかりにその鶏が潰されてしまった、ってのは笑ったなぁ。笑福亭松鶴師匠が鶴瓶さんに稽古をつけなかったのは、鶴瓶さんの個性を大切にしたかったから…って、それはちょっと違うんじゃないかな(笑)。
 あまりに話ができすぎてて、「それ作ったんちゃうの?」と思う所も(笑)。
 ただ、出てくる数々の洒落や掛けことばは、これはちょっと寒いんじゃないか、と思うものもあり。実際に文珍さんがこの話をしている所を聞いたら「うまい!」と思うんでしょうが、文章では今一つ汲み取りにくい。艶笑譚と言えば艶笑譚、でも下ネタだよな、と思う話も。これが何だかさらりと流しにくくて、このあたりが粘ついていると言うかもっちゃりしてると言うか、私にはからりと笑いにくかった。
 話芸と文章とは違うのかな、と改めて思った一冊でした。