読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

モロッコ水晶の謎 有栖川有栖著 講談社ノベルス 2005年

 火村英生と有栖川有栖コンビの短編四編収録。

助教授の身代金』:7~8年前のTVドラマの助教授役で一躍人気者になった俳優が誘拐された。身代金受け渡しの指示は最終的にはなく、被害者はホテルの廃墟から死体となって発見される。死亡推定時刻から被害者は誘拐されてすぐ殺されたこと、また犯行現場は自宅であったことが判った。犯人は誰なのか、誘拐電話を掛けて来たのは…。
『ABCキラー』:尼崎市安遠町の路上で浅倉一輝が、豊中市別院町で番藤ロミが同じ夜に殺された。やがて警察に届く犯行声明。ABC順に殺人が起きることが示唆される。三日後、八幡市千曲町で茶谷茂也が、その一週間後、道元町の壇亜由子が殺された。やがて、犯行に使われた拳銃は三番目の被害者・茶谷が購入したことが判ってくる。
『推理合戦』:最近連載小説を始めた小説家・朝井小夜子に、火村が「最近ある場所へ行きましたね?」と訊ねる。朝井は火村に「車の修理はいつできそう?」とやりかえす。訳の分からない有栖川はその場所へ足を運んでみる。…これ、短かったけど面白かったなぁ。
『モロッコ水晶の謎』:羽田野書林の社長宅で、長女の婚約者が毒殺された。現場にいたのは社長本人とその妻、長女と弟、社長が頼りにしている占い師とその姪、社員が二人、そして有栖川。毒物が入っていたジュースは未成年の弟や姪が飲んでも不思議ではないものだった。犯人はどうやって婚約者にそのジュースを飲ませることができたのか。…これは『安楽椅子探偵とUFOの夜』を連想しました。

 いつも通り、面白かったです。アリスの突っ込みも楽しかったし…って、見るのそこかよ(笑)。有栖川先生、ごめんなさい(笑)。