読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

黎明に叛くもの 宇月原晴明著 中央公論新社 2003年

 戦国時代を舞台にした伝奇歴史小説
 
 大永二年、二人の稚児が妙覚寺を下りた。人知を越えた波山の法を身につけた上、自らの師を殺しての出奔だった。いずれ天下を二分して支配しようと約束するこの二人は様々に名を変えた後、それぞれ斉藤道三、松永久秀として世に出ることになる。
 斉藤は一介の油売りから身を立て、やがて美濃の国の国主となる。そこで織田信秀・信長親子に手を焼かされ、信長こそ日輪であり、自分を含めた他の人々は星に過ぎず、日輪の前には消え去ってしまう存在であると悟る。長く三好長慶の下に仕え、なかなか日の目を見なかった久秀には、その考えは到底承服できるものではない。ことあるごとに信長に敵対し、しかし信長はその度に久秀を許す。信長は、自分を認めて愛娘・帰蝶を妻にくれた義父斉藤を、兄のように慕う久秀に親近感を抱いていた。自分も日輪であると久秀は信じていたが、寄る年波には勝てず、だが信長を認めることもできず、天下統一の黎明に叛くため、久秀はやがて明智光秀を利用し始める。光秀は若い頃斉藤に仕えており、従妹である帰蝶にほのかに思いを寄せていた弱味があった。…

 私に戦国時代の知識がないのが何よりのネック。一応面白く読めるのですが、武将の名前など本当に有名所しか知らないので「…これ誰?」になってしまう; 歴史をもっと詳しく知ってたら、「ここはこう解釈したのか!」みたいな面白さもあったんだろうなぁ。帰蝶は信長と離れて長くお寺に籠もっていて、でもどうして本能寺では一緒にいたんでしょう、多分これは史実だと思うんですが。