読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

プレミア音楽朗読劇『VOICARION Mr. Prisoner』大阪公演観ました。

 プレミア音楽朗読劇『VOICARION Mr. Prisoner』に行って来ました。
 ヴォイサリオンとは、音楽と物語が絶妙に絡み合ったオリジナル音楽朗読劇創作の第一人者である藤沢文翁が原作・脚本・演出を手掛け、東宝株式会社とタッグを組んで贈る、「超豪華キャスト×生演奏による美しい音楽×上質な演出」三拍子を揃えた音楽朗読劇シリーズ(HPより)。…だそうで。
 私は大阪初日公演、サンケイホールブリーゼでの観劇です。
 ネタばれになってる気がします、すみません;


19世紀 英国。ロンドン塔(Tower of London)地下3階には、終身刑を言い渡された囚人252号ことエドワード・ホークウッド伯爵(山寺宏一)が、光を拒む分厚い鉄扉に閉ざされた独居房に幽閉されていた。
囚人の周囲には、不思議な指示が出されていたという。
“牢屋番は耳の不自由なものにせよ”
囚人番号252号は七色の声を操る「稀代の天才詐欺師」であり、「絶対に声を聞いてはならない囚人」と呼ばれていた。
文豪チャールズ・ディケンズ上川隆也)はそんな彼に興味を抱き、調査を開始する。取材相手は囚人と交流があったとされる女性レス(林原めぐみ)。牢屋番だった祖父の突然死を隠し、代わって彼に食事を運ぶようになった彼女。労働階級のレスがひょんなことから彼と言葉を交わし、師弟関係を結ぶことになった20年前のことを、ワタリガラスに例えられ、運命を変えることになった経緯を、彼女は語り始める。…


 何しろ公演の存在を知ったのがかなり遅かったので、チケット取れて幸運だった、くらいの勢いでした。ブリーゼホールは行ったことがなかったので、どこの席がいいのかわからず、とにかくお任せ状態でチケットを購入。そしたら二階席の後ろから二列目でした。真ん中だったのは嬉しかった♪

 開演前、私の前の席が空いていてですね、これもしかして厭なパターンじゃないの、公演始まってから集中途切れる感じでやって来て、しかも大柄な人が座ったりするんじゃないの、と危惧してたら案の定! ほぼ全て当てはまりましたよ、ここまで当たるともう苦笑するしかない; 大柄と言うより背の高い人で、いきなり林原さんの下半身が見えない状態に。それまで視界良好、すかっと見えてた分ストレスが…(苦笑;)。しかし、二階席かなりの傾斜でちょっと怖いくらいだったのに視界遮られるとは、かなり長身の方だったんだろうなぁ。
 元々ド近眼の私には、この遠さでは出演者さん達の表情等は見ることはできなかったので、照明や音響を楽しむしかないな、と切り替えつつ。…でもちょっと愚痴る(苦笑)。

 始まってすぐ思ったのは、これはもう山寺さんに当て書きされた作品だな、と。何しろ声だけで9役をこなすんですから。そして、声の圧! 勿論エフェクトもあってのことなんでしょうが、声の力がびりびりと伝わってくる。
 林原さんの切り替えの早さ、それこそ瞬時に時を行き来する。知性を得て成長し、子供から女性へ。
 上川さんの安定感。ディケンズの人懐こさ、ヘイスティングのねっとりした口調。執着に捕らわれた感じ。
 初めてのオペラ鑑賞の後、メフィストフェレスの前に現れた悪魔のごとく、レスに疑惑を吹き込むヘイスティング。幸せの絶頂にこそ現れ、絶望に突き落とす。信頼関係の修復は不可能だと突き放す「先生」、でも彼女の未来は守るように。もう一度現れた彼女を、犯罪者には決してしない、現実の鍵は受け取らない。
 いやもう、だーだー泣きました。涙と鼻水で、舞台側から見たらきっと私の顔はてらてらだったに違いない(苦笑;)。
 アンコール時のスタンディングオベーションもむべなるかな。

 エンディング、山寺さんが演者、奏者を紹介し、上川さんが「役名全部言えるかなのコーナーがやって参りました」と役名を指折り数えて山寺さんを紹介。山寺さんの「我々は褒められて伸びるタイプです」「SNSに投稿を!」の発言で笑いがおきました。林原さん、チェックなさってるそうです、ふふ。林原さんの一言も欲しかったなぁ。

 見終わってから疑問だったのが、レスの授業期間について。巣から落ちたワタリガラスの雛の成長過程もあわせて語られるのですが、鳥の巣立ちってそんな何か月もかからないよね?? 1~2か月で、レスはあんなにも多くを学んだんだろうか、それは無理がないかなぁ。
 いかにドレスアップしていても、付き添いなしのオペラハウス特等席、立ち居振る舞いは大丈夫だったんだろうか。
 そうそう、「牢獄いっぱいのミミズ」で和田慎二著『スケバン刑事』を連想した人、同年代ですね?(笑)

 家へ帰ってパンフレット読んで驚きました。え、ヴァイオリン担当してた鷲見恵理子さんって、あの「鳥貴族」でバイトしてた鷲見さん?? …激レアさんだったとは…。