読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

海賊とよばれた男 上・下 百田尚樹著 講談社 2012年

 第十回本屋大賞受賞作品。

 「ならん、ひとりの馘首もならん!」――異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。
 20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは――
 出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベル。

 敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。ホルムズ海峡を突破せよ!
 戦後、国際石油カルテルセブン・シスターズ」に蹂躙される日本。内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。
 世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。                       (出版社HPより)


 いやぁ、熱い。よくもまぁ、こんなパワフルな人がいたとも。いわゆる「晩年」と言われるような年齢になっても動く動く、何食べたらこんなエネルギーが出るんだ。
 面白かったです。創業者の人柄に惹かれて集まってくる人々。実際は多分、「ついていけない」と袂を分かった人もいたと思うんですよ。成功したからよかったけど、「主人公の価値観が正義!」みたいな感じもあるし。でもやっぱり爽快です。
 ざく、ざくと進む文章。簡潔で分かり易い。スピーディでぐんぐん読めました。