読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

タブーの漢字学 阿辻哲次著 講談社現代新書 2004年

 中国科学院の院長までつとめた郭沫若の「士」=男根説。性器はやはり「陰」と「陽」で表される。「死」という漢字を避ける習慣。「トイレにいく」が「解手」となるわけ。皇帝やその祖先の実名を厳重に避ける「避諱」とは―。
 日常の話から歴史や逸話まで、幅広く、豊富な話題を紹介しながら、漢字とタブーの関係を鋭く、面白くつづった会心の名篇。
                                    (内容紹介文より)

 先日、市立図書館の分室に行きまして。分室は最寄駅の駅前にあるのですが、平日の開館時間が短い上日曜日休みなので私はめったに利用できません。返却ポスト以外ご無沙汰だったんですが、土曜日珍しく出かける用事があったので立ち寄りました。
 かなりこぢんまりした小規模な図書室で、その分、普段行く大きな本館では目に付かない本が目に留まるなぁ、と言う訳で借りてきた一冊。
 面白かったです。慣習、出処、漢字すら知らないものもあって、中国語だけではなく日本の古語まで紹介する幅広さ。秦の始皇帝の出自も初めて知りました。
 皇帝や祖先の名前の漢字、同じ音のものまで日常に使えない、その音の入った職業、役職にまで就けないという中国の慣習は驚きました。…何と不便な。でもそれも文化だもんなぁ。
 これだけの内容をずっと覚えていられたらなお楽しいんでしょうが、きっとすぐ忘れるんだろうなぁ。…残念。