児玉清の「この作家に会いたい」 人と作品をめぐる25の対話 児玉清著 2009年

　読書家で知られる児玉清が作家に敬意を持ってインタビューした対談集。
　作家は
大崎善生、角田光代、町田康、村山由佳、森絵都、真保裕一、江國香織、北原亞以子、荻原浩、あさのあつこ、
北方謙三、浅田次郎、東野圭吾、三浦しをん、山本兼一、宮部みゆき、上橋菜穂子、有川浩、石田衣良、
万城目学、北村薫、小川洋子、桜庭一樹、川上弘美、夢枕獏　の25名。

　とにかく、まえがきに全てが詰まってるなぁ、と感じた一冊。面白い小説を書く「作家」を尊敬し、話を聞く。児玉さん、自分が誰より楽しんで、きっと前のめりになってインタビューしてるよなぁ、という姿が目に浮かぶ。作家さんもこれはノッて色々喋りますよね。
　で、児玉さん、読んでる幅がとにかく広い。これだけジャンルにこだわらず読んでる、って凄い。しかも海外小説も原文で読んでらっしゃる様子。こういう人を見ると、自分が読書家だなんて名乗れないよなぁ、としみじみ思ってしまいますよ。

　児玉清さんへの追悼文を、有川浩さんが書いてらっしゃるのを見たことがあります。児玉清に認められたことが何よりも自分の誇りだ、というような内容で、有川さんの児玉さんへの敬愛ぶりがひしひし伝わって来る名文でした。
　作家を育てる読者という人がいるなら、児玉さんはまさしくそんな読者だったんだろうなぁ。