読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

夜の底は柔らかな幻 上・下 恩田陸著 文藝春秋 2013年

 ネタばれになってるかも、すみません;

 犯罪者や暗殺者たちが住み、国家権力さえ及ばぬ無法地帯である〈途鎖国〉。特殊能力を持つ〈在色者〉たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる――極悪人たちの狂乱の宴が始まる。
 有元実邦は途鎖出身の在色者。身を寄せていた親戚から、有力者相手に身体を差し出すことを強要され、途鎖から逃げ出した。かつての良人・神山倖秀を自身の手で殺すため、もう一度途鎖へ戻る。神山は今では山のソク、第一人者になっていた。
 葛城晃は有元実邦のイロによって片目を失った。以来、彼女に異常な執着を示している。入国管理の有力者。
 青柳淳一は元傭兵。葛城、神山と共に幼い頃、山で暮らした経験を持つ。子供の頃山で過ごした三人は、能力が安定し、その代わり決定的に何か欠落した人格を持った。
 黒塚弦は実邦の幼なじみ。ヨーロッパに渡り、イロが安定する手術を受けた。途鎖国に戻って以来、視界の端に人影を見るようになる。
 軍勇司は戦地での従軍医の経験を持つ。敵は勿論、仲間も青柳に殺され、青柳を殺人鬼と断定する。
 屋島風塵は実邦や黒塚、軍の恩師。幼い頃、彼の元で指導を受け、子供たちは能力の安定を図った。自身も強力な在色者。
 そして、実邦や黒塚と同じ列車に乗り合わせた少年。母や祖父に連れられていた少年は、山に入り、水晶の谷を目撃することで、強力な力を開花させる。
 水晶の中にあると噂される「何か」。子供の頃見た者はそれに憑かれると言う。不可思議な言い伝えとは別に、山は今では、麻薬製造と販売の温床になっていて、それを狙う雑魚も入山して来る。
 闇月に繰り広げられるゼロサムゲームの結末は。…
                                    (前半、紹介文より引用しました)

 …恩田さんの作品読むの、久しぶりだったんだなぁ。
 この前に読んでいたのが宮部さんと有川さん、とにかく強力なヒキのある作品が続いた後だったせいか、なかなか頁が進まなくてですね; 恩田作品にしては珍しい限り。だってなかなかお話進まないんだもの。
 スプラッタ満載なのも恩田さんにしては珍しいですね。
 巷では映画『県庁おもてなし課』の宣伝が溢れる中、まぁこれが同じ高知を舞台にしているとは!(笑)。でもまぁ、宮尾登美子原作の映画とか見ると、土佐にも暗部があったことは確かなようですが。
 「イロ」にしろ舞台設定にしろ、説明全てぶっとばす豪快な展開。でも恩田さんだし、で済んでしまうのが凄いよなぁ。…って私が勝手に済ませているだけか。でもあのラストはどうなんだろう、実邦目を覚ませ、葛城がしてきたことを思い出すんだ!
 連想したのは、昔懐かしTVドラマ(なのかな)『仮面の忍者赤影』。理由は単純、確か地面から大きな手がぬっと出て来る場面があったのですよ。赤影と『バロム1』は何しろ怖かったなぁ。…と関係のないことを思ってしまいました。