読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

論理爆弾 logic bomb 有栖川有栖著 講談社 2012年

 全ての探偵行為が禁止された、「もう一つの日本」を舞台にしたシリーズ3作目。
 ネタばれになってるかも、すみません; 

 行方不明の母を追って、空閑純は宮崎県の深影村へ。母の行動を尋ねたり、母が会った人物・友淵隆一の家族に聞き込みをしたりしているうち、<日ノ本共和国>のテロリストにより、村に通じる唯一のトンネルが崩壊されてしまった。
 閉じ込められた空間で、殺人事件が起きる。拝み屋の老婆・茶部美濃子が絞殺死体で見つかり、ただその死体は忽然と消えた。宮司・当摩善之助が崖から突き落とされ、村から離れた洞窟では酒癖の悪かった棚干基夫の刺殺死体が、その側には、何故か一度姿を消した茶部美濃子の死体も並んでいた。
 その後、友淵隆一の弟・隆二も、消火栓からの放水により川に突き落とされ、危うく命を落としかける。全ての事件の傍らには、「オチムシャくん」と呼ばれる落書きが描かれた小石があった。
 全ての事件は繋がりがあるのか、それにしては共通項がなさすぎる。偶然ならば「オチムシャくん」は何故存在しているのか、山向こうに来ているというテロリストとの関係は。こうなると、自殺で片づけられた友淵隆一の事件すら怪しく思えて来る。
 探偵見習い「ソラ」として、純はこの謎に挑む。…

 
 有栖川さんの新作だ~、ってんで予約を入れた一冊。「ソラ」のシリーズだったのね~。ピンクで塗られた小口が何とも印象的です。前回は深い青でしたね。
 謎解きについては、「閉ざされた空間」ということで、一応本格なのかしら。でもこれは難しいなぁ。一捻りありましたしね。ちゃんと伏線は敷いてあった訳ですけれど。
 母親が最後に会った人物は、リニアモーターの開発に携わる技術者でした。心を病んで故郷に戻り、その後死んでしまいました。ソラは家族から、この人物の不審死についての調査依頼を受けます。彼は何か国家機密を知ってしまったのか。そしてどうやらお母さんは、<日ノ本共和国>に拉致されてしまったようです。
 次にソラはどう動くのか。もう出て来ないのかと思っていた同級生、ガンジスと景以子が意外な方法で彼女を勇気づけます。…有栖川さん、このシリーズどう結着つけるつもりなのかなぁ。
 次に続きます。