読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

毒吐姫と星の石 紅玉いづき著 メディアワークス電撃文庫 2010年

 『ミミズクと夜の王』続編。

 全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女エルザは城に呼び戻され、隣国に嫁げと強いられる。
 『薄汚い占者どもめ。地獄に堕ちろ!』 姫君は唯一の武器である声を奪われた。
 星の石ひとつ抱き、絶望とともに少女は向かう。魔物のはびこる夜の森、そのほど近くの聖剣の国レッドアークに。少女を迎えたのは、夜の王に祝福を受けた、異形の手足を持つ王子クローディアスだった。
 王子の手足にかかった魔法は、少女の声を取り戻した。とたんに出てくる毒と呪いの言葉、なのにレッドアークの面々は思ったほどは動揺しない。苛立つ少女は逃亡を計り、星の石を失くしてしまう。縛りでもあり支えでもあった守り石を。うろたえる彼女に、ヴィオンからの使者は、王子を暗殺するよう暗示をかける。彼女を呪縛から解放したのはやはり王子の手足の魔法、自分を取り戻した少女にもたらされたのは、ヴィオン落城の知らせだった。
 ダダ宰相がヴィオン王を投獄した。クーデターの名目は「占のない国」、だが結局は独裁を目論んでいるらしい。王は拘束されたと言うのに、争いは鎮まらない。
 自分を利用したのと同じように、宰相は民衆を利用している。その中心には、かつて下町で自分を気にかけてくれたジョセフの姿があった。国へ戻る、というエルザに、クローディアスは自分も兵を率いて反乱軍の鎮圧に向かうという。
 ヴィオンの神殿で、毒吐姫は兵士を前に言葉を紡ぐ。たった一つの自分の武器を、漸く肯定して使う。クローディアスの信頼を背に。…
                              (前半、表紙折り返しの紹介文を引用しました)

 
 『ミミズクと夜の王』の続きはあまり書いて欲しくはなかったのですが、あの二人の話ではなかったのでよかったなぁ、と。今回は異形の王子・クローディアスの嫁取りの話。どうも相変わらずお転婆な女の子に縁があるようで(笑)。
 次は聖騎士と剣の巫女の慣れ染めが描かれるようですね。こういう続編の書き方もあったんだなぁ。