読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

聖女の救済 東野圭吾著 文藝春秋 2008年

 パッチワーク作家・真柴綾音の夫・真柴義孝が死んだ。死因は亜ヒ酸による中毒死、綾音の留守中に自分で淹れたコーヒーの中に入っていたらしい。
 義孝に自殺するような動機はない。いつ、誰によってどうやって毒物が混入されたのか。
 前日、妻の不在をいいことに、義孝は綾音の弟子である若山宏美を自宅に呼んでいた。宏美は義孝の子を妊娠しており、綾音は離婚を切り出されていたらしい。宏美に義孝を殺す動機はない、あるとすれば自分の方だ、と静かに語る綾音。清楚で家庭的な綾音に草薙刑事は好意を寄せ、後輩の内海薫はその様子を見て不安に思う。綾音を疑う内海は帝都大学教授・湯川に、相談を持ちかける。
 コーヒー豆、フィルター、ペットボトルの水、お湯を沸かしたケトル。どこに仕込まれたかわからない状況に、興味を抱く湯川。捜査が進むうち、義孝が以前付き合っていた絵本作家の女性も、亜ヒ酸で自殺していたことが判明した。
 やがて湯川は、ある可能性に気付く。だがそのトリックは、論理的には可能だが、現実的には考えられない。また、証拠を見つけることも極めて難しい。だが草薙は、ある情景を思い出す。おそらく決め手となる証拠物件を。…

 ようやく図書館の書架に並んでいた一冊。…と思ってたら、何だかまた4件も予約がついていてびっくりしました。東野さんの本を読むには、出版されて4年経ってもまだ予約がいるのね;
 面白かったです。すらすら読めました。犯人は判っているのに、殺害方法が分からない。判ったら判ったで気の張るというか気の長いというか、まぁ根気のいる方法で。でも納得するんだよなぁ。
 内海刑事に全然覚えが無く、どうやら私、シリーズ1冊抜かしていることが判明しました(苦笑;)。TVドラマで柴崎コウが演じた役ですよね、でもえらくイメージ違ったなぁ。原作の方が冷静沈着でかっこいい感じ。東野さんはよほどドラマが気に入ったのか、福山雅治の曲聞かせたりしてるし、というかこれはファンサービスかしら(笑)。また映像化されるんでしょうか。
 安定して面白い、って凄いよなぁ。