読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

対談集 妖怪大談義 京極夏彦著 角川書店 2005年

 京極夏彦が各界の専門家と妖怪について語りあった対談集。

 水木しげる    ◎ 妖怪が深める師弟の絆
 養老孟司     ◎ 脳化社会の妖怪たち
 中沢新一     ◎ ダンディは悪なる自然
 夢枕 獏       ◎ 闘う陰陽師作家、嗤う妖怪作家
 アダム・カバット ◎ 江戸の妖怪キャラクター
 宮部みゆき    ◎ 妖怪と心の闇をのぞく
 山田野理夫    ◎ 妖怪と怪談の真髄
 大塚英志      ◎ 民俗学偽史だったのか?
 手塚 真       ◎ 妖怪を生み出す手法
 高田 衛       ◎ 偉大なる我らのエンタテインメント
 保阪正康     ◎ 「妖怪」がわかれば「昭和」もわかる
 唐沢なをき    ◎ 妖怪図鑑は、愛と勝負感できまる!
 小松和彦     ◎ 妖怪学の現在
 西山 克       ◎ 怪異学とは何か?

 特別収録 水木しげる/荒俣 宏 ◎ 睡眠力こそすべての源
    
 なんてことはなく手に取った一冊。そしたら、最初は本当に読み辛くてねぇ;
 文章とかが読み難い訳ではなく(だって対談集だし)、こういうことに対する知識があることが前提の作りになっていまして、何しろ私にはその予備知識がない!(笑)
 ただ、後半になるとだんだんスピードが上がりました。何回か繰り返し登場する名前もあったし、飛ばし所を覚えたと言うか、私が楽しむポイントがわかったと言うか。唐沢さんと妖怪図鑑を見てはしゃいでる様子は、こちらにまで伝わってきましたね。個人主義が広がっていくにつれて妖怪が減って幽霊に移って行ったとか、水子の霊というのは新しい概念だとか、柳田國男の弊害とか、知識が増えていくのも楽しかったです。
 京極堂シリーズは、私は『塗仏の宴』までは読んだんですが、それ以降ちょっと遠ざかっていまして、しかもその作品も細かい所は忘れていまして、おかげで対談中にその話題になっても「…そんなエピソードあったっけ?」(←ごめんなさい、ごめんなさい;)
 何だかすごく面白そうに書いてあるんだよなぁ、でも今さら手を出しづらいんだよなぁ。何しろ長いし、新刊には追われてるし。