読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

フランケンシュタイン シェリー/小林章夫訳 光文社古典新訳文庫 2010年

 初版は1818年、まえがき等を書き加えて1831年改訂版出版。原題『フランケンシュタイン あるいは現代のプロメテウス』。

 北極海に新たな航路を求め、希望に溢れ船出した若き隊長ウォルトンは、氷の大地で犬橇を引く男を救出する。すっかり弱り切ったこの青年の名はヴィクター・フランケンシュタイン。聡明で穏やかで高貴で、しかし憂いを秘めたその態度に、ウォルトンはたちまち魅了される。彼はウォルトンに、自分の犯した罪を話し始めた。
 科学者ヴィクター・フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、様々な動物を継ぎ接ぎして人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物のあまりにも醜悪な姿を見て、自分のしたことの重大さに気付き、怪物をそのまま放り出してしまう。
 逃げ出した怪物は放浪の末、故国を追放された見知らぬ一家を陰から見守ることで知性と感情を獲得する。だが彼の求める理解と愛を受け入れる者は誰もおらず、絶望した怪物は再びヴィクターの前に現れて自分の伴侶を作るよう要求する。
 弟を殺され、無実の罪を着せられたメイドが処刑され、ヴィクターは一旦怪物の要求を承諾した。だが結局はもう一人怪物を作ることに恐れをなす。怪物は報復としてヴィクターの親友クラーヴァルを殺し、婚約者のエリザベスを新床で殺害した。
 怪物は自分を追うようヴィクターを挑発し、北極へ向かう。だが結局ヴィクターはウォルトンの船室で力尽き、そこでウォルトンは怪物の影を見る。…
 
 『文学少女』シリーズで取り上げられていた『フランケンシュタイン』、気になったので読んでみました。そうそう、学生時代はこういう読書範囲の広げ方をしてたよなぁ、と少々懐かしく思いつつ。
 …これ、ヨコシマに読める人いるかも;
 怪物の「憎んで憎んで俺だけを見つめて追ってくるがよい」的な態度って、高河ゆんさんが似たようなテーマで漫画描いてなかったっけ。で、ヴィクターが死んだら死んだで怪物が嘆き悲しんで後を追う、って言うのは萌える人いるんじゃないかなぁ、と友人を思い浮かべてしまいました(苦笑;)。
 いきなり語り手の名前が出てきたり弟(らしき人)が増えたり、基本的な書き方がどうよ、と思う所もありましたねぇ。元々の原文がこうで、この時代なら受け入れられたのか、翻訳がポカをしたのか。
 自分が作っておいて後は知らんぷりで放っておく、ってヴィクターの態度にはちょっと眉をひそめました。罪をなすりつけられたメイドが可哀そうでねぇ。いや、ちゃんと責任取ろうよ;