読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

聖者の戦い 小説フランス革命Ⅲ  佐藤賢一著  集英社  2009年

 革命の本道を目指し、天下をかけた戦いが始まる。
 仮面の聖性と宿命の俗性。
 真の敵は何処に。
 今こそ真実に殉じる勇気を。                 (帯文より)

 革命の手はいよいよ聖職者に及ぶ。「聖職者の年金と教会の財産を没収して国有化する」と言う提案が議会にかけられた。発議したのはタレイラン・ペリゴール、フランス王家より格上の血筋だと自負する貴族の家柄だが、右足が不自由だったことから聖職に送り出されたオータン司教。ミラボーとも昔からの腐れ縁だが、それでも着実に革命を進めようとするミラボーに対し、タレイランは革命を舞台に大博打で勝つ快感を得ようとしていた。
 軍隊の指揮権の在り処、司法行政管区の刷新。遅々として進まない議題もあれば早々に決着する議題もある。ミラボーに引け目を感じていたロベスピエールミラボーとの間に一線を引き、ジャコバン・クラブでの論争で頭角を現して行く。革命の立役者・デムーランは新聞を発行、世間からの評判はよかったが先輩ロベスピエールに嫉妬し、厭い、ミラボーの信条に寄って行く。民衆は分かり易い英雄、アメリカ帰りのラ・ファイエット軍司令官に歓喜の声を揚げていた。…

 フランス革命一周年記念、全国連盟祭まで。
 今回はあまり派手な動きはなく、その分印象が薄くて、実はあまり記憶に残りませんでした; 貴族が海外に亡命した分、そこに関する法律は順調に通ったけど、聖職者は逃げなかったから抵抗も大きかった、ってのはものすごく納得しました。
 ダントンと言う腕力に物言わす弁護士が登場、ロベスピエールを支持。ロベスピエールに届いた手紙の差出人が「サン・ジュスト」。…聞いたことあるなぁ(笑)。
 次巻への引きはたっぷりです。