読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

桜庭一樹~物語る少女と野獣~  角川書店  2008年

 てっきりエッセイかと思って予約を入れたんですが、ムック本だったんですね。さすがカドカワ、桜庭さんアイドルのよう(笑)。
 
 内容は、
 とある女流小説家の洋館を舞台にした桜庭さんの写真、それを下敷きにした短編小説『ライティング』。
 ダイノジ大谷ノブ彦との対談、作家、評論家、デザイナー、翻訳家等からの質問。
 直木賞受賞時のドキュメント、授賞式でのスピーチ、各社担当さんからのコメント。
 重松清氏からのインタビュー、自身の作品の解説、『ブルマー三部作』掲載。
 桜庭さんが書いた帯文の紹介、桜庭さん煩悩の108冊。各社担当さんの座談会。
 単行本未収録短編作品
 『七竈~』に出て来た、七竈をスカウトした梅木美子のアイドル時代を描いた『ゴージャス』
 かつての大ロックスター・ジャングリーナが親戚らしいと聞いた少女二人が、いまわの際のジャングリーナを訪れる『地球で最後の日』
 そのジャングリーナの息子が戦場で死ぬ様子を描いた『ぼくの代わりに歌ってくれ』
 文庫解説三編
 『ずっとお城で暮らしてる』(シャーリィ・ジャクスン著 創元推理文庫
 『遠野のザシキワラシとオシラサマ』(佐々木喜善著 中公文庫)
 『小指の先の天使』(神林長平著 ハヤカワ文庫)

 桜庭さんって担当さんたちに愛されてるよなぁ、としみじみ思いました。
 『私の男』淳吾について、映像化するならトヨエツ派とオダギリジョー派と、一人だけ松本人志派がいた、ってのは何となく納得しました。「だめになるセンスは、女は男にぜったいに敵わないし」…なるほど(笑)。
 桜庭さんの煩悩の108冊の中に、小野不由美さんの『悪霊シリーズ』があってちょっとびっくり。『十二国記』じゃないのね~。まぁ『十二国記』はまだ終わってませんものね。写真では鈴木光司さんの『楽園』や宮部みゆきさんの『かまいたち』もあるのに、活字としては載ってないのはどうしてなんでしょう。…って私もそこまで詳しく見るなよ; 氷室冴子さんの『シンデレラ迷宮』があったのも嬉しかった~。こっそり、私は氷室さんの作品の中ではあれが一番好きなので。でも酒見賢一さんから選ばれたのは『聖母の部隊』なのね、『後宮小説』ではなく。
 桜庭さん自身の自著解説を読んでいると、また色々と読み返したくなりました。『私の男』腐野花と『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の海野藻屑は同じ人物らしいし。…でも大変なんだよな~、桜庭さんの小説も読むのにエネルギーいるから。