読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

図書館危機 有川浩著 メディアワークス 2007年

 『図書館』シリーズ第三弾。

 図書館に痴漢が出た。被害に会ったのは中澤毬江、「笑う正論」小牧は暗く静かに怒っている。柴崎と郁が囮になり、犯人を引っ掛ける計画を立てる。…:『王子様、卒業』
   …本屋で痴漢、ってのは私も若い頃に遭ったことあるなぁ。思い余って安全ピン持ち歩くようにな
   ってからはあわなくなりました。いや、勿論攻撃用(笑)。覚悟が表に出るのかな?(笑)。
   柴崎がああいう風に腹が据わるまでに、どんな酷い目にあったのやら(ふぅ)。

 昇任試験が迫ってきた。本来なら楽勝のはずの手塚がうろたえている。何しろ、実技課題が「子供への絵本の読み聞かせ」。仕方なく手塚は柴崎に泣き付き、手ほどき(?)を受ける。…:『昇任試験、来たる』
   …柴崎、やっぱりかっこえ~(笑)。

 世相社で若手実力派俳優・香坂大地のムック本を出すことになった。両親に見捨てられ、床屋を営む祖父母に育てられた過去を初めて明かす香坂。そのインタビュー内容の「床屋」と言う言葉が「理髪店」と言い換えられていたことから、香坂は出版に待ったを掛ける。祖父の職業「床屋」が差別用語になる、と知って気分を害する香坂。落とし所がつかず悩む折口マキに、喧嘩屋中年・玄田竜助が知恵を授ける。…:『ねじれたコトバ』
   …「床屋」も「魚屋」も差別用語だったのかぁ。「お手伝いさん」も駄目なのかな、だったら火田
   七瀬の職業はどうなるんだろう(笑)。
   それにしても司法が日和るなんて、三権分立はどうした~ッッ!?

 茨城県立図書館から図書特殊部隊に応援出動依頼が来た。同一敷地内で開かれる美術県展の最優秀作品が良化特務機関を揶揄したものだったことから、メディア良化委員会はぴりぴりしている。実家に近いと郁は遠征を嫌がるが、堂上は容赦なし。いざ茨城県立図書館に着いてみると、「無抵抗者の会」と名乗る非暴力団体が幅を利かせ、一般図書館員も尻馬に乗って防衛員は肩身の狭い思いをしているらしい。唯一の女子隊員・郁も嫌がらせを受けた上、母親・寿子にまで職種をばらされてしまう。…:『里帰り、勃発――茨城県展警備――』
   …郁の成長著しい一篇。特に喧嘩の仕方、勝ち方が(笑)。

 いよいよ県展初日、良化委員会と図書隊員の争いが繰り広げられた。何とか作品は守ったものの、過激派のために玄田隊長は負傷。稲嶺司令は茨城県立図書館の不祥事の責任を取る、と引責辞任を決める。…:『図書館は誰がために――稲嶺、勇退――』
   …郁のお父さん、何者!?

 柴崎と手塚の間が微妙(笑)。郁と堂上も何だか接近、自分の思いに気付いた様子。小牧と毬江はらぶらぶだし、玄田と折口も元サヤか?(けっ・笑)
 無抵抗主義をあんな風に書かれるとちょっと複雑でした。確かに、相手にも良識がないと通用しない戦法なんですね。それどころか付け入られてしまう。
 今回初めて人物紹介が付きました。イラストを見てちょっと驚いた。今まで気付かなかったんですが、徒花スクモさんの絵って女の子の体の線があまり、あまり、その、お上手ではない…?(笑)。あれでは郁だけではなく、柴崎や毬江ちゃんまでAカップだわ;
 さて、次巻でラスト。一般人もメディア良化法に反発を持って来たようです。民主主義の敵は無関心、って『銀英伝』でもあったもんね(笑)。どう決着つくのか楽しみです♪