読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

殺意の集う夜 西澤保彦著 講談社ノベルス 1996年

 西澤保彦四作目。
 ネタばれあります、すみません;

 嵐の夜、六人部万理の不倫相手・М大学助教授一日宮和徳の別荘で7人の男女が死んだ。うち6人は悪夢のような連鎖が続いて万理が殺したもの。だが最後の一人、友人の四月園子だけは万理は手を下していない。このままでは全ての殺人が自分のせいにされてしまう。万理は必死で推理する、園子を殺した犯人は誰なのか。あわよくば万理が犯した罪もその人物に引きかぶって貰おうと考えて。
 その夜、山荘に集まったのは、一日宮助教授夫人に留守番を頼まれたと言う大学生・五百棲、別荘より先にある山の城ホテルに聞き込みに行っていたという刑事・七座、山の城ホテルに泊まりに行くはずだったという八重原夫婦とその父親、山の城ホテルの送迎バスの運転手・二野瓶、一日宮に一方的に惚れ込んで勝手に別荘に乗り込んできた園子と彼女に無理矢理連れて来られた万理。
 だが五百棲の「今朝一日宮夫人と一緒にここに来た」と言う証言は無理があるし、園子の「一日宮助教授に呼ばれた」という言葉は嘘らしい。七座はここへ来る山道が土砂崩れで通れなくなったといい、八重原は山の城ホテルへの登り道が通行不能だと言う。二野瓶はバスがガス欠になり、歩いてようやく山荘まで来たのだとか。
 平行して、ホステス・九十瀬智恵殺しの一件が語られる。彼女の傍らには女子大生・十余島善子の死体。彼女たちを殺したと思われる男は逃亡し、刑事三諸克也はその犯人を追っていた。
 その付近で多発しているネクロフィリアの殺人鬼、幼女連続殺人事件、髪切り魔事件、通り魔事件、食人鬼騒動。万理自身山荘で命を狙われ、命からがら真相に辿り着く。その頃三諸も雨の中山荘へ向かっていた。…

 …う~ん、すごい。好感の持てる人が一人も出てこない(笑)。まあそんな風に登場人物に肩入れして読む作品ではありませんが(笑)。
 みんなに狙われていた一日宮の奥さん、ってどんな不運の持ち主なんだ。
 全てが最後にまとまる構造は相変わらず。万理の正体には最後まで気が付きませんでした、不覚。…ってあれは気付かないよなぁ。