読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

図書館戦争 有川浩著 メディアワークス 2006年

 ネタばれあります、すみません;

 昭和最終年度、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された。そんな情勢下、メディア良化法の検閲権に対抗する勢力として「図書館の自由法」が成立する。そして30年、元号代わって正化31年。
 笠原郁は大学卒業後、新図書隊員として武蔵野第一図書館に配属された。女子は大概図書館員として通常図書館業務に従事するのが常だが、郁は防衛員を希望。身長170cm、中高陸上で体を鍛え大学も推薦で進んだ郁は、体力的には日々の訓練も問題なくこなせるものの、座学は大の苦手。おまけに考える前に手が出る性格、教官にして直接の上司・堂上篤二等図書正には目をつけられっぱなし。なのに何故か、女性初、図書特殊部隊(ライブラリー・タクスフォース)に選ばれてしまった。
 一緒に配属された同期はエリート中のエリート・手塚光一等図書士。全ての訓練でトップの座を譲ったことのない手塚は、何かにつけ郁を馬鹿にする。
 日和見の館長代理・鳥羽敏雄が教育委員会の『望ましくない図書』貸出制限に屈しそうになったり、連続通り魔殺人事件の容疑者少年の貸出記録提出を拒否したり、図書館の内容を規制しようとする『子供の健全な成長を考える会』に対し、子供をけしかけて反対させたり。
 良化法に関するありとあらゆる報道記録を集めた「野辺山情報歴史資料館」を引き取るため、関東図書隊が出動したこともあった。しかし郁は、この作戦から外される。代わりに与えられたのが稲峰和市関東図書基地司令擁護の任務。だが情報歴史資料館作戦が成功したのも束の間、郁と稲峰司令は過激派に拉致されてしまう。堂上はじめ、郁の周りの人物が二人の救助のため奔走する。郁のルームメイトで情報通、自他共に認める頭脳派・柴崎麻子。優しく穏やか、正論を正しく使う笑い上戸・小牧幹久二等図書正。豪放磊落、でも部下をからかうことには骨身を惜しまない玄田竜助三等図書監。
 果たして『日野の悪夢』は再来するのか、それとも阻止できるのか。…

 あちこちで評判の『図書館戦争』。ようやく順番が回って来ました。
 面白かった―――! 確かにこれ、月9だわ。…って、私も月9の認識間違ってる?(笑)
 直情的で考えなしの郁のようなタイプは本来私の好みではないのですが、って今回もそんなに好きにはなれなかったんですが、(いやぁ、勿論、私の好みは小牧教官です!・笑)でも登場人物たちの会話がすっげー楽しい! 手塚からの交際申し込みに悩む郁への柴崎の台詞、「乙女が! 乙女がここにいます軍曹ー!」には本気で吹き出しました。何かノリが小劇団(笑)。
 郁の憧れの「王子様」の正体なんかもうばればれなんですが、それでもいい。ラスト、あれだけ盛り上げてくれたら十分!(笑) 
 でも、図書隊員はともかく(←ともかくで流していいのか、私?)、良化隊員は何をモチベーションにしてあれだけのことをしてるんだろう。まぁ余計なこと考えず荒唐無稽なこの設定を楽しむのが正解だとは思うのですが。
 次も予約しよう! …でもいつ読めるのかなぁ。