となり町との戦争が始まった。舞坂町に住む「僕」北原修路はとなり町を通って通勤しているが、町の様子は以前と何も変わりない。ただ、月二回発行される広報誌[広報まいさか]に戦死者の数が載るのみ。そのうち僕にも偵察業務任命が来た。この形の見えない戦争の行方を知りたいと言う好奇心に勝てず、僕はその業務を引き受ける。初めは通勤途中、となり町の様子を見るだけだったのに、やがてとなり町に潜入しての偵察業務命令が下りる。町役場勤務の香西瑞希と夫婦と偽ってのとなり町への潜入。相変わらず戦争自体は見えないまま、日々を過ごす僕。査察が入ると情報が入った時には香西の指示に従い、訳も判らず夜中中逃げ回る。やがてとなり町との戦争が終わる。香西との生活も終わる時が来た。…
…これはまぁ、何というか、変わった話。
条例に則り、予算内で事務的に遂行される戦争。戦い自体は外注で自分で手を下す訳ではないから、町民のほとんどに自覚も罪悪感も無い。どこか遠くの国で行われている戦争と、感覚的には変わりが無い。しかし粛々と、確実に死者は出ている。
さらりと流れて、「ああ面白かった」ですっきり忘れられるような話ではない。どこか引っかかる。でも「これ面白いよ~!」って薦めるには抵抗があるんだよなぁ。
…不思議な、でも怖いような話でした。
条例に則り、予算内で事務的に遂行される戦争。戦い自体は外注で自分で手を下す訳ではないから、町民のほとんどに自覚も罪悪感も無い。どこか遠くの国で行われている戦争と、感覚的には変わりが無い。しかし粛々と、確実に死者は出ている。
さらりと流れて、「ああ面白かった」ですっきり忘れられるような話ではない。どこか引っかかる。でも「これ面白いよ~!」って薦めるには抵抗があるんだよなぁ。
…不思議な、でも怖いような話でした。