読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている  神永学著  文芸社  2004年

 幽霊の見える赤い左目を持った青年・斉藤八雲にまつわる連作短編集。
 少々ネタばれしてます、すみません;
 
ファイルⅠ 開かずの間
 大学のキャンパス内にある廃屋には幽霊が出ると言う噂がある。肝試しに廃屋を訪れた三人のうち、一人は行方不明になり、一人は熱を出して寝込み、残る一人は電車へ飛び込み自殺をしてしまった。寝込んだ一人・美樹の友達・小沢晴香は、映画研究室に寝泊りしている斉藤八雲に相談を持ちかける。八雲は、美樹に女性の幽霊が憑いているのを見て、晴香と共に廃屋へ行く。女性はこの大学の生徒で、その廃屋の地下室に生きながら閉じ込められたらしい。だが、死体はもうそこにはなかった。調査を進めるうち、二人は誰かから襲撃される。女性は何を言おうとしているのか、飛び込みは本当に自殺だったのか。

ファイルⅡ トンネルの闇
 事故の発生率が異様に高いことで知られるトンネル。晴香は合コンで知り合った男・達也に無理矢理誘われこのトンネルを通り、女性の幽霊を見る。早速八雲に相談する晴香。現場で八雲は、その女性の死体を発見する。死体に付着していた塗料から犯人は割り出され、事故車を修理した工場からは子供の死体が発見された。その頃晴香は再び達也の車で、幽霊トンネルに向かっていた。後部座席には子供の姿、ブレーキは何故か効かない。八雲は後藤刑事と共に、二人を追いかける。

ファイルⅢ 死者からの伝言
 夜中、晴香の目の前に友人、詩織が現れた。彼女は晴香に逃げるよう言い、炎に包まれて消えてしまう。とても幻に思えなかった晴香は八雲にこのことを相談する。同じ頃後藤刑事は、夫・加藤謙一を毒殺した後、犯行がばれて焼身自殺をした妻・恵美子についての調査を持ちかけられていた。やがて、謙一と詩織が不倫の関係にあったらしいことが判明する。晴香には詩織からの「ごめんなさい」で始まる手紙が届いた。その手紙を巡って、晴香が何者かに狙われる。…

 あちこちのブログで見かけた上、友人からも薦められた一冊です。
 面白かった~。思い出したのは小野不由美『悪霊シリーズ』の主人公、ナル。能力的には真沙子だけど、あの口の悪さは共通するものがありますね(笑)。けれんみたっぷりの文章は、少々青臭い気もしたけれど(笑)。
 晴香ちゃんのあの巻き込まれっぷりはすごいですね~。必ず命狙われてるし(笑)。推理小説と言うのは少し違うかな。いや、でも楽しかったです。続きも読もう(笑)。