読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

Lady,GO(レディ,ゴー) 桂望実著 幻冬舎 2006年

 南玲奈は「少し自分嫌い系」の女の子、23歳。恋人勇太に振られ派遣先からは終了を言い渡され、アパートの更新料やエアコンの修理代に追われて踏んだり蹴ったり。次の仕事もなかなか決まらないが、離婚してそれぞれの家庭を築いている両親に頼る訳に行かない。途方に暮れていると、高校時代の級友の姉・泉に偶然出会う。キャバクラで働いていると言う泉は、整形したのかと思うほど綺麗になっていた。泉の薦めもあって、同じキャバクラ「クリップ」に勤め始める玲奈。泉の努力は勿論、オカマのスタイリスト・ケイの助言や、ミュージカルスターを夢見る同僚のしほの姿を見て、徐々に自分を磨き始め、成績を上げて行く。客の仕事を手伝ったことから、やがて自分の夢を見つけ、玲奈はクリップを巣立つ。…

 何だかこの頃、あちこちで名前を見かける気がしてた作家さんです。図書館の返却棚で見かけたので借りてみました。著者紹介を見てみて納得。そうかぁ、『県庁の星』の原作者でしたか、成程。
 「アンタあたしのヤクルト飲んだやろ!」は雨上がり決死隊の宮迫氏の奥さんのエピソードであったよな、コピー機の修理担当者だったのが…ってのは漫画家の楠桂さんも馴れ初めそうだったよな、パトロン癖のあるケイさんのモデルはきっとピーコさん…と思いつつ。
 周りの顔色を伺い、自分を出せない玲奈。相手の男の子にすれば、確かに負担だわ; これを不快に感じるのは自分に似た所があるからだよなぁ、気を使うばかりで気配りができないんだよ、と身につまされてたら。
 玲奈ちゃん、華麗に変身してしまいました! 
 こりゃ女の子楽しいわ。『赤毛のアン』や『大きな森の小さな家』の頃から、衣装や靴、髪型は大きな魅力。シャーリングの入ったラベンダー色のワンピース、ゴールドのバックベルトのサンダル、バカラのペンダントトップに膝下からシフォン生地になるドレスetc.etc.…。自分が似合うものをアドバイスして貰えるっていいよなあ。連想したのは久美沙織著『ガラスのスニーカー~美人案内講座』や『抱いてアンフィニ~美人案内講座2』。…ってトシがばれるって(苦笑;)。佐伯かよの藤田貴美の漫画にも似たようなのありましたね~(笑)。
 ただ、どうもこの作家さん文章にクセがあるような…。何でだろう、所々モヤモヤする(笑)。北村薫新井素子は最初にがつんと来ますが、この人はボディブローのようにじわじわ効いてくる感じ。そのうち「だぞ」とか「てへ☆」とか文末に付くんじゃないか、とひやひやしました(笑)。キャスト、レスト等、専門用語(?)が説明なくいきなり出てきて戸惑ったし、「自分の居場所」と言うキーワードもフライングで使ってたり。まぁ文章が一人称ってこともあるんでしょうね。
 玲奈ちゃんの一年も経たないうちの飛躍、ちょっと早すぎないかなぁ。面白かったのに、素直に爽快感が味わえない自分の、ひねくれ具合を思い知らされました(笑)。