読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔法使いになる14の方法 ピーター・ヘイニング編/大友香奈子訳 創元推理文庫 2003年

 「魔法」と「学校」をテーマにしたアンソロジー集。短編14編収録。
 ネタばれあります、すみません;

『ドゥ・ララ教授と二ペンスの魔法』/E・ネズビット
 ハリー兄さんに庭に腰まで埋められたルーシー。あまりの悪戯を腹に据えかね、二ペンスで魔法を買う。「ハリーと同じくらい強くなり、ハリーは小さくか弱くなる」魔法。果たして、翌朝からルーシーは悪戯と喧嘩が止まらないし、ハリーは泣かされて学校から帰って来る。ハリーはルーシーの気持ちがようやく解り、ルーシーは全て自分のせいだと告白して仲直りのキスをする。
 …こういう欧米系翻訳物家庭小説の悪ガキの悪戯って、シャレにならないような物多いですよね。文化の違いなのかなぁ。

『学校奇譚』/マンリー・ウェイド・ウェルマン
 バート・セトウィックは古い学校に入学するため駅に降り立った。迎えに来たのは背の高い青年。学校では他に二人の青年がおり、自分達は悪魔の崇拝者で、バートに四人目にならないかと誘う。断るバートを三人が追ってくる。彼を救ったのは突然現れた校長先生だった。

『悪魔の校長』/ジリアン・クロス
 みんなが楽しみにしているカーニバル。だが、校長先生は不思議な力で大人達を操り、カーニバルを中止にしようとする。バーナディンは偶然録音されていた校長先生の声を使って、大人達の呪縛を解く。
 …これは、何かシリーズ物の一編でしょうか。ちょっとこれだけでは解りにくいなぁ;

ワルプルギスの夜』/ハンフリー・カーペンター
 人間界に降りてきた魔法使いのマジェイカ先生は、魔法使い達のお祭り「ワルプルギスの夜」に参加できない。可哀想に思った天上界の大魔法使いは、幽霊のスペクターを使いとしてマジェイカの元に送る。だがこのスペクター、物凄い怖がりだった。人間界にまだ慣れないマジェイカも合わさって、古城で騒動が起きる。
 …これもシリーズ物なんでしょうね。何の説明もなく出てくる登場人物が何人もいる;;

『暗黒のオリバー』/ラッセル・ホーバン
 いじめられっ子のオリバーは、両親と行ったギリシャ旅行で「ハデスの石」を拾う。新学期、いじめっ子のジェフリーをオリバーは不思議な力で懲らしめ、和解する。

『さがしものの神様』/ジョーン・エイキン
 嘘つきで、そのためにいじめられるデンジル。デンジルは博物館にあった〈さがしものの神様〉の偶像を使って、クラスメイトに隠された自分の宝物を探し始める。だが、それには代償が必要だった。

『ダブラーズ』/ウィリアム・ハーヴィー
 古き良きグラマースクールで、生徒達の手によって年々引き継がれている不思議な儀式。
 
『飛行術入門』/ジャクリーン・ウィルソン
 レベッカヒキガエルに、空を飛べる塗り薬の調合の仕方を教えて貰う。箒の代わりに傘を使って、さぁ空を飛ぶ練習!

『中国からきた卵』/ジョン・ウィンダム
 息子ダイから送られてきた大きな卵は、中国の竜の卵だった。可愛がって育てるフィルとブロンウェン夫婦に対し、隣人のイドリスはウェールズの竜を捕まえ、中国の竜と戦わせようとする。
 …これは楽しい話だったなぁ。でもこの記述は中国の竜ではないだろう、と思いましたが(笑)。

『お願い』/ロアルド・ダール
 少年は空想する。この絨毯は実は毒ヘビだらけ、無事な所は黄色い模様のある所だけ。無事渡り終えたら子犬が貰える。
 …このロアルド・ダールは『チョコレート工場のひみつ』と同じ人なんでしょうか。『誰かに似た人』の作者とは同一人物、それとの同姓同名の別人?? 児童書には児童書の他作品、大人向けには大人向けの他作品しか紹介されてないので、ずっと確認したいなと思ってるんですが。

『見えない少年』/レイ・ブラッドベリ
 チャーリーを惹きつけたくて、彼に「見えなくなる魔法」をかけてやると約束してしまった老婆。実際には魔法なんて使えないのに、見えないふりをしなくてはならなくなってしまう。
 …オチがわかりにくいよう; 老婆の思い込みで架空の息子を作ってしまった、のかな??

『わたしはドリー』/ウィリアム・F・ノーラン
 義理の父に虐待を受けているドリー。復讐したくて魔女の元を訪れると、魔女はドリーそっくりの人形をくれた。魔女は人形をドリーの代理にするように言う。

『なにか読むものを』/フィリップ・プルマン
 活字中毒アナベル。親が無理矢理、ダンスパーティに参加させる。抜け出してプール脇で本を読もうとしていたら、そこにいたカップルに邪魔者扱いされ、はずみでプールに落ちて溺れてしまう。
 …活字中毒なのは解るけど、何もそんなに意地張らなくても…;

『キャロル・オニールの百番目の夢』/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
 キャロルは自分の夢を売っている人気夢作家。だが百番目の夢が見られなくなり、大魔法使いクレストマンシーに相談に行く。クレストマンシーに導かれて見た百番目の夢は、夢の中の俳優達がストライキを起こしているものだった。
 …これは読んだことありました。疾走感がすごい。

 魔法と学校にまつわる、と言うのは看板に偽りありではないかしらん。これホラーやん、と言う作品が大半のような…。翻訳物は読むのに時間がかかります。どうしてかなぁ。