読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

図書館の神様 瀬尾まいこ著 マガジンハウス 2003年

 ある国語講師の、赴任してからの一年間を描いた物語。
 高校までバレーボールに打ち込んでいた私・早川清。他校との練習試合で負けた日の夜、その試合でミスした同級生が自殺した。周りの人は、彼女が死んだのは試合後のミーティングで清がきつい事を言ったせいだと思っている。清はバレーボールをやめ、以来無気力に学生生活を送った。
 地元から離れた大学を出て高校講師になった清。バレーボール部の顧問になりたかったのに、割り当てられたのは文芸部。しかも部員は三年生の垣内くん一人だけ。ずっと体育会系で過ごしてきた清には、図書館で純文学を読み耽る垣内が理解できない。不倫相手の浅見さんや時々遊びに来る弟・拓実に愚痴ったり。そのうち垣内とのつきあいも妙に良好になり、教員採用試験にも合格。生徒との関わりもうまく行くようになってくる。浅見さんとの仲を清算、文芸部の廃止に反対し、垣内の卒業を見送った後、清は教師として次の学校へ赴任する。…

 友達が勧めてくれた本です。「題名に『図書館』って入ってるから」と言う理由だけらしいんですが(笑)。
 初め、クラブメイトの死にあまりにも淡々としている清の記述に眉を潜めました。最後の方で判るんですが、引きずりすぎていてそう言う風に見なきゃやってられない精神状態なんですね。…それにしても、教え子にあんなに甘えてていいのかなぁ。垣内君、しっかりしすぎ。清、あまりにも情けないような…。
 純文学の手引き書みたいな一面もあり。『夢十夜』ってそんなに怖かったっけ。でもそんなに簡単に授業内容変えていいの? しかも自分の担当クラスだけでしょ??
 何か、読書感想文の課題図書みたいな雰囲気の作品でした。
 …そうそう、あの装幀は、あれでいいんでしょうか。私の好みとはハズれるなぁ。