読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

七日間の身代金 岡嶋二人著 講談社文庫 1998年

 初出は1986年。ネタばれあります、すみません;

 資産家の息子と、その義理の母の弟が誘拐された。身代金を持ってあちこちを連れ廻された挙げ句、湘南の小島が受け渡しの現場となる。その小島へは細い橋が一本あるだけ、周りは警察に監視されている。だが、お金を持っていった義母は殺され、身代金は無くなった。犯人は忽然と消えてしまった。やがて、弟の方は資産家の別荘で監禁されていたのが見つかり、息子は小島にベンチ代わりにあった岩の下を掘って作った穴の中で死体で発見される。以前から自分を「芸術家」と称し、奇妙なパフォーマンスを繰り返してきた息子の、気まぐれの末の事件かと思われたが…。

 反対側の岩の下の穴が先に見つかってたら、どうするんだよ~!…と突っ込みたい(笑)。仕掛けがとにかく大掛かり。すっかりほとぼりが冷めた頃、始末するつもりだったんでしょうか。大変だろうな~(笑)。犯人は結構始めの方で見当がつきます。登場人物少ないからこれは仕方ないですね。二つの密室をどうやって作ったのかが興味のポイント。
 シリーズ化されそうなキャラクターなのに、あっさり捨ててる所がいかにも岡嶋二人作品。少し勿体ない気がしないでもありません。