読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ぼくと未来屋の夏 はやみねかおる著 講談社ミステリーランド 2003年

 夏休み前、両手一杯の荷物でふらふらしながらの下校途中、「ぼく」…小学六年 山村風太は「未来屋」に会った。「未来屋」の名前は猫柳健之介さん。子供相手に100円で未来を売る猫柳さんは、めっぽう女性には親切なのにぼくには何だか意地悪い。何時の間にやらぼくの家に居候を決め込み、この町の「不思議なこと」を解明していく。夕立の時ポチが行方不明になったこと、開校前の学校に逃げ込んだ泥棒が消えたこと、戦争中神隠しの森で起きた本当の神隠しの真相、そしてこの町に伝わる人魚の宝物の在処。ぼくの推理をことごとく覆しながら。…

 はやみねかおるの作品を読むのはこれが初めてです。…この作品を初対面に選んだのは選択を誤ったのかなぁ、どうだろう。基本的に児童書中心に活躍してる人みたいなので、話の進め方自体は手慣れた感じがします。子供の好きな物をノスタルジーたっぷりに詰め込んだ、みたいなお話。でも、ポチが消えた時の説明とか、説得力ないんですよね、少なくとも私には。子供大人の猫柳さんが、本当に大人げなく風太くんをやり込める辺り、「…子供の読者は、主人公に感情移入して読むだろうけど、どう感じるんだろう」と思ったり。敵わない存在としての大人を出そうとしたのかなぁ。最後の謎は風太くんも正解を導き出すので、それでチャラって事でしょうか。