読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

舞姫 テレプシコーラ 7~9巻 山岸涼子著 メディアファクトリー

 本部のバレエレッスンにて、千花はイタリアンフェッテをやろうとしてまた左膝を痛め、再手術に。
 六花はS中学のダンス部に振り付けを頼まれ、バレエ以外の動きに注目し始める。その様子が富樫先生の目に留まり、母親のバレエ教室の発表会で『眠れる森の美女』の糸繰り女『カラボス』を自分で振り付けて踊ることに。それが認められて、六花は本部の公演の『くるみ割り人形』でクララ役に抜擢される。
 周囲からの視線が厳しくなって、六花の精神は安定しない。一方千花は、バレエを続けるために韓国での生体靭帯移植を決意する。母親は千花に付添って日本に不在のまま、六花はクララを踊り切る。
 日本に帰って来た千花は、誰よりも六花の成長に驚き、ライバル心を募らせる。…

 千花ちゃん退場の際、ダ・ヴィンチ誌上で数々の追悼文が寄せられていました。当時は「ふうん」って感じで読んでたんですが、今になって彼女の魅力に気が付きました。千花ちゃん、かっこいいわ。
 六花ちゃんの『カラボス』成功を素直に喜ぶ。相手の才能を妬むことなく認め、自分を高める材料とする。自分が置いて行かれる焦りを認める冷静さ、誇り高さ。8巻では切羽詰まって六花ちゃんに当たってしまう場面もありましたが、それにしても千花ちゃんは、今回の茜ちゃんのような、相手を貶めるような発言はきっとしない。
 その分、六花ちゃんがどうしても頼りなくてねぇ(苦笑;)。ポアント忘れるとか、気が弱いという欠点とはまた別の次元のミスですし。そういえば私、『アラベスク』読んだ時も、主役のノンナにあまり感情移入できなかったっけ。でも、五嶋先生のわざと名前呼ばないとか、茜ちゃんの悪びれる様子もなく他人のお守り隠すとか嫌味を言うとか、やっぱり理解できないんですけどね。それで公演が失敗したらどうするつもりなんだろう。
 桜子ちゃんやひとみちゃんも、自分の進路に迷いはじめます。折角手術した千花の足にも不安が出始めました。…厳しい世界だなぁ。
 次巻に続きます。