第一話 グッドバイからはじめよう
お得意先の河野さんからの預かり品が、このごろおかしい。家で洗濯すればすむようなものまでクリーニングに出され始めた。スーパーで会った河野さんのご主人は町内の情報を収集しようとし、フレンチトーストの作り方まで訊いて来る。奥さんが働き始めて忙しくなったの言うのがその理由だが、どうももっと切羽詰まった訳がありそうだ。
和也の友人・沢田が、喫茶店『ロッキー』でバイトしながら真相を見抜く。…
お得意先の河野さんからの預かり品が、このごろおかしい。家で洗濯すればすむようなものまでクリーニングに出され始めた。スーパーで会った河野さんのご主人は町内の情報を収集しようとし、フレンチトーストの作り方まで訊いて来る。奥さんが働き始めて忙しくなったの言うのがその理由だが、どうももっと切羽詰まった訳がありそうだ。
和也の友人・沢田が、喫茶店『ロッキー』でバイトしながら真相を見抜く。…
…私もフレンチトーストは、家で作ったのが一番美味しいと思います。
第二話 東京、東京
不動産屋の娘で幼馴染の糸村麻由子の様子が変わってきている。広告関係の会社に勤めだしてから、何だか和也によそよそしい。麻由子の親から言われて御用聞きに回る和也だが、「クリーニング店は信用してない」と聞き捨てならない言葉を言われてしまう。スカート派だった彼女がパンツルックに変わった理由を、和也から話を聞いた沢田は気付く。…
不動産屋の娘で幼馴染の糸村麻由子の様子が変わってきている。広告関係の会社に勤めだしてから、何だか和也によそよそしい。麻由子の親から言われて御用聞きに回る和也だが、「クリーニング店は信用してない」と聞き捨てならない言葉を言われてしまう。スカート派だった彼女がパンツルックに変わった理由を、和也から話を聞いた沢田は気付く。…
第三話 秋祭りの夜
この間からお得意様になった渡辺さんは中年のおじさんなのに、クリーニングに出す洋服は露出の激しい女物ばかり。愛想が良かったり悪かったり、水商売関係なのかと思いきやそうでもないらしい。妙に生地に対する知識があって、真夜中アルコールで濡れたジャケットを大慌てで和也に頼んできたりする。沢田も渡辺さんに対しては攻撃的で不機嫌な態度をとる。果たして渡辺さんの職業は。
この間からお得意様になった渡辺さんは中年のおじさんなのに、クリーニングに出す洋服は露出の激しい女物ばかり。愛想が良かったり悪かったり、水商売関係なのかと思いきやそうでもないらしい。妙に生地に対する知識があって、真夜中アルコールで濡れたジャケットを大慌てで和也に頼んできたりする。沢田も渡辺さんに対しては攻撃的で不機嫌な態度をとる。果たして渡辺さんの職業は。
第四話 商店街の歳末
近頃商店街で女の子の幽霊の噂がたっている。渡辺さんから預けられる、黒を基調にした上品な女性服を見て、アイロンかけのシゲさんは何か思い当っている様子。和也が物心つく前から店にいてくれたシゲさんには、何か過去があるらしい。…
近頃商店街で女の子の幽霊の噂がたっている。渡辺さんから預けられる、黒を基調にした上品な女性服を見て、アイロンかけのシゲさんは何か思い当っている様子。和也が物心つく前から店にいてくれたシゲさんには、何か過去があるらしい。…
ああ、これは『ムーミン』だ。と読み始めてすぐ思いました。和也と沢田の関係は、ムーミンとスナフキンの関係だ。…と、解説書いてらっしゃった方も同じようなこと思われたようで(笑)。
スナフキン、好きなんですよね~。自分がああなりたい、という存在です。旅を友とし孤独を愛し、でもムーミン谷に帰ればムーミンたちが両手を広げて無条件に受け入れてくれる。それもスナフキンの、広い知識に裏打ちされた深い思慮、温かさがあったればこそ。…ただ何故か今回、沢田にそんなにヒキはなかったんですけど(苦笑;)。
相変わらず美味しそうなものを傍らに置きつつのミステリー。日常の不思議については前回同様、察しがついてしまうものや「…ちょっと無理がないかい??」的なものもあったんですけど、そこをメインで読む作品ではないな、ということで。前のシリーズより細かく共感できる場面が多くて、私はこちらの方が好きかも。
やっぱり作者は女性だな、と改めて思いました。
スナフキン、好きなんですよね~。自分がああなりたい、という存在です。旅を友とし孤独を愛し、でもムーミン谷に帰ればムーミンたちが両手を広げて無条件に受け入れてくれる。それもスナフキンの、広い知識に裏打ちされた深い思慮、温かさがあったればこそ。…ただ何故か今回、沢田にそんなにヒキはなかったんですけど(苦笑;)。
相変わらず美味しそうなものを傍らに置きつつのミステリー。日常の不思議については前回同様、察しがついてしまうものや「…ちょっと無理がないかい??」的なものもあったんですけど、そこをメインで読む作品ではないな、ということで。前のシリーズより細かく共感できる場面が多くて、私はこちらの方が好きかも。
やっぱり作者は女性だな、と改めて思いました。