読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

月魚 三浦しをん著 角川書店 2001年

 この本はまいさんからお借りしました、まいさんいつもありがとう♪ 
 ネタばれしてます、すみません;

 古書店「無窮堂」の主人、本田真志喜は24歳。十年丁稚奉公をしてようやく独り立ちできると言われるこの業界で、祖父の代から三代目を引き継ぎ何とか生き延びている。そんな真志喜を、ある日幼馴染みの瀬名垣太一が訪ねて来た。
 瀬名垣の父親は、ゴミの山から拾ってくるような、後ろ暗い経路の本を売りさばく『せどり屋』。だがいつしか独学で古書を学び始め、真志喜の祖父・本田翁に目をかけられた。その縁で瀬名垣は真志喜と知り合い、自分も古書の鑑定眼を身に着けることになる。わずか12歳で、真志喜の父親の見逃した稀覯本を見出すほどに。以来、真志喜の父親は姿をくらまし、瀬名垣は真志喜に罪悪感を持っていた。
 瀬名垣の誘いに乗り、一緒にある旧家への買い付けに出かける真志喜。あまりにも若い二人に遺族は難色を示し、地元の古書店との査定合戦を持ち出して来る。やって来た古書店の主人は、行方不明になった真志喜の父親だった。
 真志喜は父親に長年の思いを告げる。故人の後妻に残す一冊を選んでくれと言われ、真志喜は古本にもそれを巡る人々にも誠実に対応する。…:『水底の魚』

 本田真志喜、瀬名垣太一と後藤秀郎、外山みすずの高校時代の一夏を教師の目から描いた短編。…:『水に沈んだ私の村』

 本の内容がどうとか言うよりですね、いや、面白かったんですけどね、それより二人の関係が気になって仕方ありませんでした(笑;)。布団くっつけて敷いてるのを離したり、奥さんの「夕べは寒くありませんでした?」の問いに「熱いくらいでしたよ」と答えた瀬名垣を真志喜が蹴り飛ばしたり、かと思うと真志喜は瀬名垣の自分を呼ぶ声を思い出して赤面したり。いかにも「邪推して下さいね」といわんばかりのセッティング、さすが三浦さんだわ(笑)。
 「図書館に入ると本が死ぬ」と言うのはある意味本当かもしれない。ビニールカバーによって装丁は意図したものではなくなるし、カバー裏の本当の表紙は見えなくなるし。書庫に入ったっきり、二度と日の目を見ない本もあるでしょう。わざわざ出して貰うのも気が引けるときあるもんなぁ。
 …何か本の内容より、自分の腐女子っぷりを自覚させられた話でした(笑)。