読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

白菜のなぞ 板倉聖宣著 平凡社ライブラリー 2002年

 初出は1994年。

 白菜は実は明治維新後に日本に渡ってきたもの。原産地は中国、山東半島。中国とはずっと昔から貿易して来たのに、どうして日本に来たのはこんなにも遅かったのか。…

 確か北村薫さんの『ミステリ12ヶ月』に紹介されていた本だと思います。何だかこの頃「いつか読みたいとメモってる本」が山積みになってきまして、少しずつでも消化しようかと読みました。
 なるほど、確かにミステリかも。こんなに近くの国で栽培されていた野菜が、どうして明治維新後まで日本に来なかったのか。そういえば中国のどこかの博物館に、翡翠か玉で作った白菜の彫刻品があったような…。
 日清戦争の食料現地調達(…;)のおかげで、大陸で白菜を食べて、その種を持って帰って来る兵士たち。元々は農家の息子が多かった訳で、明治維新後は自分の好きなものが栽培できるようになったからと育ててみるが、何故か日本では上手く育たない。雑交配をしないように孤島にまで行って栽培する辺りは、本当、「…そこまでしたのか;」としか言いようが無いです、頭下がります; で、その苦労の様子から、著者はそれまで日本に白菜がなかった理由を推測する。これ、気付いた時は楽しかっただろうなぁ、学問する人の醍醐味ですね。
 それにしても、日本で白菜食べられるようになってよかった。先達の皆さん、ありがとう♪