読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

雷の季節の終わりに 恒川光太郎著 角川書店 2006年

 デビュー二作目。
 ネタばれ、までは行きませんが、かなり後半まで粗筋書いてます、すみません;

 賢也は「穏(おん)」に住んでいた。寂しい海辺の漁村、どこの地図にも載っていない「この世の外」隠れ里。
 穏には春夏秋冬の他にもう一つ神の季節がある。冬と春の間に位置する短い季節。神季、もしくは雷季と呼ばれるその時期、止まない雷鳴とともに里を鬼が歩き回り、悪い子を攫っていくと言う。賢也の姉もその時姿を消した。
 身寄りもなく苛められっ子だった賢也は、村の実力者の娘・穂高と仲良くなってその標的を逃れる。楽観的で陽気な、少年のような少女・穂高。彼女の兄・ナギヒサが人を殺し、その罪を賢也に被せたことから、賢也の逃避行が始まる。賢也を密かに逃がしてくれた闇番の大渡、賢也を追ってくるタクマとツガ、それに同行する穂高。賢也に取り憑いている霊鳥「風わいわい」が賢也を「下界」へ導く。
 現世界「下界」では、中学生の少女・佐竹茜が継母に殺されかけていた。穏出身の母・沙智子は、やはり穏出身のトバに茜の殺害を頼む。トバの肩に繋がれた風霊鳥――風わいわいを見た茜は、危ういところで鳥を解き放ち、トバから逃げ失せる。
 また甦り、復讐を果たそうとするトバ。目の前に、賢也と穂高が現れる。賢也の肩には「風わいわい」がいた。…

 ああ、好みだ。やっぱり好きだわ。
 茜と一緒にトバと戦う早田青年とか、別の話がありそうなのに、あっさり放り出してしまうところもいい。
 以前も思ったのですが、何故か乙一を連想しました。
 …でもね、実は「肩に乗った鳥」のイメージ、『キャプテンハーロック』のトリさん。…ごめんなさい、ごめんなさい(笑)。